毎年恒例、2024年に魔法の箱研究所 所長が試して良かった、おすすめのエフェクターや機材を紹介します。
魔法の箱研究所 2024年マイベストギア
2024年は機材欲を断ち切るような、物たちを手に入れてしまった一年でした。
2024年マイベストギア!手に入れて良かったエフェクターやギター
2024年のマイベストギア、おすすめしたいエフェクターやギターは以下の物です。
いずれも所長としては集大成ともいえるラインナップとなり、現時点で買い替えが想像できない機材たちです。
手に入れた代わりに手放した機材たちもたくさんありますが、2024年に出会えた機材たちのおかげで物欲もだいぶん減りました(笑)
ギターでいえば、何度も買っては売ってきたジャズマスターで好きな一本が見つかりました。
Fender American Professional Jazzmaster
2017年製のFender American Professional Jazzmaster、モダンかつ独特な仕様のジャズマスターです。
アメプロのジャズマスター、プリセットボリュームを排したシンプルなコントロールが特徴であり、現行品とは仕様が異なります。
友人が購入し、おすすめされて買ってみましたが結果、手放せない一本と出会えました。
オリジナルのままでも良かったものの、少しトラッドな方向に音を振ってみたかったので、ピックアップやコンデンサ、ブリッジを交換しました。
アーミングした時の感覚が独特で心地良く、シングルコイルでありながらパンチのある音が鳴らせるので気に入っています。
改造した内容含め、詳しくはレビュー記事に書いていますので、併せてご覧ください。
Fender American Professional Jazzmasterを>> メルカリで探す
プリセットボリュームがないジャズマスターで賛否は分かれる気はしますが、所長は買って良かったです。
HUDSON ELECTRONICS UK Broadcast AP-II / 使える2in1ペダル
HUDSON ELECTRONICS UK Broadcast AP-IIは、所長も2020年に手に入れてから愛用してきたモデルのアップデートモデルです。
Broadcast AP-IIはAriel Posen signatureモデルであり、ゲルマニウムトランジスタとシリコントランジスタを採用したデュアル・プリアンプペダル。
現在は国内で販売されていますが、所長はAriel Posen氏の公式動画を見て我慢できず、発売されたタイミングで海外から買ってしまいました(笑)
シリコントランジスタチャンネルは前モデルAP同様、トランスと組み合わせた太いサウンドにコンソール感も付与できるチャンネル。
今回、新たに追加されたゲルマニウムトランジスタチャンネルはエッジの効いたサウンドが鳴らせます。
両方のチャンネルをONにすることで、ゲインアップや音量アップもできるため、一台で事足ります。
スタックペダルとしても優秀であり、ファズとの相性も良さも魅力です。
所長もファズを鳴らしたいけど音量が出せない時、AP2を一緒に踏むことでグッとサウンドを押し出せるので重宝しています。
ちなみに内部にローカット、ゲインを調整できるトリマーもついているので、音作りも追い込めるのも良いですね。
JC-120のようなトランジスタアンプでも鳴らせますが、真空管アンプで鳴らしたほうが真価は発揮します。
スタジオなどでトランジスタアンプを鳴らす場合を想定すると、Blues Power Deluxeを選びたいですね。
King Tone Guitar Blues Power Deluxe / 集大成モデル
King Tone Guitar Blues Power Deluxeは、所長もメインのオーバードライブとして使っているブルースパワーのデラックスバージョンです。
Blues Powerは発売されてからバージョンアップを重ね、V2.0まで販売されていますがこのDeluxeは、集大成ともいえるモデル。
今まで販売されてきたバージョンの仕様が、この一台に詰まっています。
サウンドの傾向としては、ブルースパワーのV1.7に近い印象であり、ゲインブースターが追加されています。
ブルースパワーは単体でもかなり歪ませることができますが、ブースターをON/OFFできることでバッキングとソロを足元でコントロールできるため、使い勝手の良さが格段に向上したモデルです。
アンプなど環境にも左右されにくく、一台だけ歪みエフェクターを持っていくならBlues Power Deluxeを選びます。
ちなみに発売後、すぐにKing Tone Guitarの公式サイトから購入し、18Vでチェックしたところ、壊れてしまいました…
原因はわかりませんがおそらく初期不良とのことで、交換用パーツをキングトーンギターから送ってもらいました。
ビルダーの友人に交換方法を確認してもらい、実際に自分で取り替えましたが簡単でしたので、メンテナンス性を考えられた設計にもなっているようですね。
King Tone Guitarの親切な対応にも感謝ですし、何より音が鳴るようになって安心しました。
今は国内でも販売されるようになったので、相談もしやすく補償もしてもらえるようになったので良かったです。
King Tone Guitar Blues Power Deluxeを>> メルカリで探す
2024年は持ち出しできて、及第点以上が取れるサウンドを鳴らせるエフェクターボードを構築したいと考えていた中、実現できるプリアンプを手に入れることができました。
Malin D-Style Preamp Marchione Model / Dタイププリアンプ
Malin D-Style Preamp Marchione Modelは、いわゆるダンブルアンプスタイルのプリアンプであり、ハイエンドギターで知られるマルキオーネギター監修のモデルです。
このプリアンプは先輩が所有しており、研究所に遊びにきてくれた時に弾かせてもらって衝撃を受けました。
欲しいと思いましたが、国内では手に入りにくいプリアンプだったので諦めていたところ、運良く手に入れることができました。
117V仕様でステップアップトランスは必要ではあるものの、プリアンプの枠を超えたアンプともいえる挙動とサウンドであり、タッチレスポンスに敏感で弾いていて楽しい。
Malin D-Style Preampは、クリーンチャンネルとオーバードライブチャンネルが分かれており、イコライザーや各種ミニスイッチの効きも明瞭です。
ツマミは少し触っただけでもサウンドは変わるため、セッティングに慣れが必要とはいえ、出音からすると苦にならないほど楽しめます。
驚いたのはMalin D-Style Preamp、アンプのリターンに繋ぐだけでなくインプットに繋いでも使えることです。
インプットに繋ぐと歪みエフェクターのようにも使えますし、マスターボリューム以外はセッティングを変えずに鳴らせたのも驚きでした。
繋ぐアンプにも左右されにくく、JC-40やJC-120といったソリッドステートアンプでも問題なく鳴らせます。
以上のことから、持ち出し用の簡易エフェクターボードは、Malin D-Style Preampを中心に組むことに決めました。
問題はプリアンプの後に繋ぐ空間系エフェクターは、ヘッドルームに余裕のある物を選ぶ必要がありました。
ヘッドルームに余裕がないエフェクターを繋ぐと、挙動がおかしくなりエフェクトがきちんとかからないことがあるからです。
空間系エフェクターで、ヘッドルームに余裕のあるコンパクトエフェクターとして、友人から教えてもらったのがUAFXのペダルです。
UAFX Del-Verb & Starlight / 空間系に特化したハイクオリティーペダル
UAFX Del-Verbはリバーブとディレイの複合ペダル、Starlightはディレイに特化したハイクオリティーな空間系ペダルです。
情報/機材提供 Thanks @ShutterHey9
元々、リバーブはアンプのものを使うと考えていたため、先に手に入れたのがStarlightでした。
Starlightは以下、4種類のディレイが搭載されています。
参照元:Universal Audio UAFX Starlight Echo Station マニュアル
お目当ては普段から愛用している、EHX Deluxe Memory Manのモードでした。
結果、メモリーマンのサウンドもよく再現されており、簡易エフェクターボードに組み込みました。
とにかくUAFXのこのシリーズで驚いたのは、ラックエフェクターを思わせるようなサウンドが、簡単な操作で鳴らせたことです。
簡易エフェクターボードも完成したと考えていましたが、UAFXのペダルを紹介してくれた友人から、Del-Verbが送られてきました。
Del-VerbはStarlightなど単体機に比べると、追い込んだセッティングはできないものの、シンプルな操作でクオリティーの高いサウンドが鳴らせる点は同様でした。
特にリバーブは愛用しているラックエフェクターのLexicon MPX-1のように、低域からしっかりかかってくれる印象であり、アンプのリバーブを使うよりも好みであったことから簡易エフェクターボードに採用しました。
Del-Verbを導入したことで、アンプにリバーブがない場合でも対応できるようになりました。
組んだ簡易エフェクターボードはスタジオでチェックしてきましたが、予想以上に良いサウンドが鳴らせて満足しています。
細かなことを言うと、プリアンプの前後はインピーダンスを調整していますが、書くと長くなるので興味のある人はXやInstagramのDMからお問い合わせください(笑)
ちなみにプリアンプ、簡易エフェクターボードを繋ぐ持ち出し用のアンプとして採用しているのが、Quilter Tone Block 202です。
Quilter Tone Block 202 / 可搬性良し200Wのソリッドステートアンプ
Quilter Tone Block 202(以下Quilter 202)は、200Wのフェンダー系ソリッドステートアンプです。
元々、所長は同メーカーの101やAviator CUBを愛用していますが、202はリターンに繋いでもリバーブがかかることや、音量面で余裕があることから選びました。
Aviator CUBはリターン挿しでもリバーブはかかりますが、101の場合はリターン挿しするとリバーブがかからないため、202を採用しました。
Quilter 202はヘッドアンプであるため、好きなスピーカーを選べることも使っている理由です。
実際、スタジオに簡易エフェクターボード(Malin AMPのプリアンプ)とQuilter 202、Electro-Voice EVM12S(12インチ×1)を持ち込み鳴らしたところ、50Wクラスの真空管アンプ以上の音量感で鳴らせました。
もちろん、Quilterのアンプは単体で鳴らしても優秀であり、エフェクターノリも良くてファズを踏んでも鳴らしやすいなど、エフェクターフリークな人でも扱いやすいアンプです。
Quilterはソリッドステートアンプである先入観から、おすすめしてもなかなか理解してもらえないと感じていますが、持ち運びしやすいサイズと重さも魅力です。
202のサイズは21.6cm x 18.4cm x 8.3cm、重さは1.5kgとバッグに入れて持ち運びもできます。
所長はカメラケースに他のペダルと入れて、持ち出すようにしています。
メンテナンスフリーで維持費もかからないだけでなく、LINE OUTやヘッドホンアウトも搭載しているため、宅録や夜に弾きたい人でも使えます。
フェンダー系アンプを考えている人には、先入観なしで試してほしいおすすめのアンプです。
以上の2024年マイベストギアには入れなかったものの、所長として好印象だった機材も紹介しておきます。
マイベストギアに入れてないけど良かった機材たち
全て書き出すと収拾がつかなくなるため、冒頭のマイベストギアには入れなかったですが、試して良かった機材たちも紹介しておきます。
では、一つずつ簡単に紹介していきます。
SIB! Nick Nitro / Fuzz & Octave Fuzz
SIB! Nick Nitroは、ファズフェイスとオクタヴィアがニコイチになったペダルです。
友人から譲ってもらったものですが、初期仕様の個体となります。
左右のスイッチで各々、エフェクトをかけることもできますし、単体使用も可能です。
出音もなかなかに良くて、ファズフェイスとオクタヴィアを使いたい、でも手軽に済ませたい時に重宝しています。
Warm Audio Mutation Phasor II / Phaser Pedal
Warm Audio Mutation Phasor IIは、Mu-tron Phasor IIのクローンエフェクターです。
Mu-tron Phasor IIは1970年代のフェイザーエフェクターであり、お借りする機会がありました。
このミュートロンのフェイザー、サウンドも好きだったのですが気に入ったのはエフェクトをONにしても、位相反転をしない点です。
ただ、このMu-tron Phasor II、めちゃくちゃデカい…笑
Warm Audioは他のモデルも再現度が高かったことから試したところ、良い結果が得られました。
大きさもミュートローンと比べると、Mutation Phasor IIは小さめ。
音も一緒とはいいませんが、雰囲気は感じられますし、純粋に音が好きでした。
Warm Audioの製品は、今後も楽しみに期待しています。
RoShi Pedals Blacklon / Fender Type Preamp
RoShi Pedals Blacklonは、フェンダー系プリアンプペダルです。
所長も開発段階でサウンドチェックをしていましたが、忖度なしで期待以上の仕上がりでした。
注目して欲しいのはこのBlacklon、スタックペダル(ファズ受け)としても使える点です。
動画では手前に先ほど紹介した、SIB! Nick Nitroを踏んでいます。
RoShi Pedalsといえばファズペダルで知られますが、Plexition含めプリアンプ系ペダルも注目です。
Positive Grid Spark GO ミニアンプ
超コンパクトで軽量なミニアンプ、Positive Grid Spark GOです。
Spark GOは充電式で電源なしでも鳴らせますし、サイズからするとびっくりするサウンドが鳴らせます。
音量もサイズからするとある程度出せますので、ジャムセッションをする時にも使えて楽しめました。
自分の弾いたフレーズに合わせてジャムれる機能などもありますが、コツがいるなどまだ使いこなせていません(笑)
Bluetoothで接続し、オーディオスピーカーとしても使えるなど、公式サイトに説明があるように機能もあり楽しめます。
Washburn P4 / Nuno Bettencourt Signature Model
Washburn P4、ヌーノ・ベッテンコートシグネチャーモデルです。
このP4は2010年前後のリイシューではなく、2003年あたりのカスタムショップ製と聞いています。
ヌーノがソロやサポートで、使用している動画が残っています。
このP4は先輩から譲ってもらったものですが、このシルバースパークルの個体は当時、全世界3本のみ作られていたそうで珍しい一本とのこと。
希少価値もありますが、このP4の気に入ったところはハムバッカーギターでありながら、ソリッドなサウンドが鳴らせることです。
コントロールも1ボリューム1トーン、シンプルで操作性も良いのも気に入っています。
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MXL R144 Ribbon マイク
MXL R144はお手頃な価格ながらも、リボンマイクらしさを楽しめるマイクです。
このR144はSera Sound Productsさんに遊びに行った時、手土産に渡されまして使ってみたところ、撮り音が気に入ってから愛用しています。
マイキングも楽ちんでオンオフマイク、どちらにつかっても録り音がイメージから大きく変わらない印象があり、当研究所の動画でもSENNHEISER E906と共によく利用しています。
リボンマイクは壊れやすいと聞くものの、ガンガン使っていますが問題なく使えています。
使える場面が多いのでとりあえず、録音用マイクが欲しい人にもおすすめですね。
スピーカー(Celestion G12-H75/JBL D131)
スピーカーはサウンドを決定する上で重要なわけですが、今年は新たにお気に入りのものを試せました。
Celestion G12-H75はクリームバックとの愛称で知られ、D131はD130の12インチバージョンといわれているスピーカーです。
所長は前述のQuilterアンプの場合、Electro Voice EVM12Sを愛用していますが、もう少し軽量化したい考えもありまして。
重さと出音で好きな感じで鳴らせたのが、G12H-75とD131でした。
懸念するのは両モデルとも許容入力が60W〜75Wであるため、Quilter 202でガッツリ鳴らしたと時には耐えられないこと(EVM12Sの許容入力は200W)。
実際、友人はD131で鳴らしていて、ぶっ飛ばしました。
ただ、両モデルともに出音は気に入っているので、気をつけて鳴らします…
ギターシールド・ケーブル各種(Asterope Cable/VOVOX sonorus protect A Inst Cable..etc)
2024年はあらためて、ギターシールド・ケーブルを試した年であり、気に入る物を見つけることができました。
検証した結果、手に入れたシールドは以下の二つです。
手に入れた理由は動画で詳しく語っていますが基準になるだけでなく、サウンドメイクにおいて使い勝手が良かったためです。
それともう一本、SHOOT THE MOONのギタリストである@kazunyan_gtさんが作ってくれた、Belden 8412をベースにしたケーブルです。
長年愛用している、ORBのJ7-PhoneとCS216のバランスを取ったようなサウンドで、気に入って使っています。
以上、2024年の振り返りでした!
2024年は機材も人も新たな出会いがあり、有意義な一年でした。
2025年にトライしたいこと
最後に2025年、忘れないためにも現時点でトライしたいことを書いておきます。
友人からスピーカーを抜かれた、Music Man HD 130を譲ってもらいました。
HD 130はプリ部がトランジスタ、パワー部が真空管といったハイブリッドアンプ。
音は所長としては好みであり、大音量でクリーンサウンドも鳴らせる上にエフェクト乗りも良いアンプです。
ただ実物を見てもらうとわかりますがめちゃくちゃ邪魔ですし、スピーカーを入れても可搬性が悪すぎるのでヘッド化したいです。
実はDCケーブルも友人ビルダーが作ったものを試したり、作ってもらったりして無視できない物だと感じました。
深入りしたくはないので、Strymon純正のものを利用してきましたが、余裕があれば試してみたいですね(笑)
例えばサイレントボックスを導入してみる、OX AMPを有効活用するなどなどです。
最近は再びOX AMPで録音することもありますが、サイレントボックスと合わせて上手く鳴らしてみたいなと。
とはいえ、諸事情で防音も検討しなければならないのですが(笑)
他にもありますけど、ひとまずはこのぐらいで(笑)
来年も魔法の箱研究所をよろしくお願いいたします!
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