「Vin-Antique Lab」というNewペダルブランドさんが販売した「Pike Place Smoky Emerald ’79(以下、PPSE ’79)」をレビューします!
この「PPSE ’79」はTwitterでふと見かけ、気になっていたところ、今回、ペダルレビューの依頼をいただきました^^ありがとうございます!
また今回は Vin-Antique Lab 代表&ビルダーであるNagase氏に ペダル製作秘話、仕様に関するアレコレ他、インタビューさせてもらいました!併せて、ご紹介していきます!
ペダルレビュー
さて、まずは見た目。個人的にこういった色味のペダルは好きなこともあり、SNSでふと目に留まりました^^
カラーリング、筐体表面もゆず肌仕上げ、触った時の質感もよいです。
ツマミはシンプルにVOLUME、TONE、GAINの3つ。外部電源にも対応。
フットスイッチの踏み心地も考え、スイッチは特注とのこと。
裏蓋には嬉しいメッセージが^^
パーツなど仕様に関する詳細は「Vin-Antique Lab」さんのWEBサイトに書かれていますが、両電源駆動などなど、こだわりの詰まった一台ですね^^
サウンドレビュー
まずは動画から。
クランチ程度に歪ませた真空管アンプと絡めたとき
↓↓↓
クリーンサウンドの真空管アンプと絡めた時
↓↓↓
いかがでしょうか。僕はどちらの環境でも使える印象を持ちました^^
またJC-40でも鳴らしてみましたが、一音出した瞬間に使える!と感じました。
ちなみに僕が「PPSE ’79」で良いと感じた部分を挙げますと、
- ゲインを上げていっても弦鳴りを感じるクリアさがあり、分離感も良い
- 中域にフォーカスされ過ぎず、巻き弦を弾いた時でも音が濁りにくい
- ギターボリュームを絞っていった時にこもりにくい
特にギターボリュームやピッキングに対する反応性、追従性はTS系というより、世に言う「トランスペアレンツ系(※)」の雰囲気は感じました。
※Timmy、King of Toneなどが有名ですね!
ちなみにトランスペアレンツ系といえば、ブルースブレイカー系のペダルが代表的ですが、それらと比較しても抜けの良さ、音の輪郭もはっきり聴こえます。またコンプレッション感も適度にあるので、そのあたりのバランス感も僕は好印象でしたね。
逆にTS系サウンドを求めてしまうと、拍子抜けするかもしれませんね(笑)
あと面白かったのがトーンの効きがTS系ペダルのそれとは違い、左に回しきった状態から足していく感じで使えるという点。動画でもだいたい8~9時ぐらいで使っているのもそのためです。
半面、個人的に気になった点を挙げますと、
- トーンがもう少しカット方向に効いてほしい(ボリュームを上げた際に)
- プレーン弦側の音がタイトでやや細く感じる
- フットスイッチのポップノイズ
- ボリュームの可変(2時前後で音量がグッと上がる)
ただ、アンプや手元で何とかなる部分、常時ONで使うならそこまで気にすることではないかもしれませんね。
「PPSE ’79」開発秘話etc.インタビュー!
それではこの「PPSE ’79」の開発秘話や仕様についてなど、「Vin-Antique Lab」の代表、Nagase氏(以下、VA)に色々、気になることを聞いてみました^^
■魔法の箱研究所:
「PPSE ’79」の開発にあたり一番に拘った部分は何でしょう?
◆VA:
1番にこだわったというのは正直限定出来ない全部拘りました(笑)そして、欲しい!ではなく買おう!というエフェクターを目指しました。
僕もこだわり屋なのではじめは超ハイグレードなオーディオパーツを使おうと考えましたが、買おう!とはなりにくいと思いまして。なぜなら、高価になるからです。
ただやはり音は優先にしたかったので、一旦、パーツのグレードを考えずにハイグレードから普通のグレードのものを色々試しました。結果的には、部分部分にハイグレードのパーツを使っています(笑)裏蓋を開けてみてください!結構ええモン使ってるのがわかると思います。
それと買った後に、「値段で妥協した、安かったから買った」と思って欲しくなくて、どこのブティックも持ってなさそうな要素をいれました。それはデザインです。色とフォント。フォントは全て僕が手書きしたものを元にしております。また女性の方にも手に取って貰いやすい様なユニセックス的なデザインにしました。
あえて金属感のしない感じの、アンティーク家具ぽいエフェクターにしたいなーってのもありまして、色はアメリカンビンテージなグリーンにしてあります。また、塗装は手作業で行っています。この辺からも個人工房の温かみを感じていただけたらなーと思います。
■魔法の箱研究所:
開発にあたりヴィンテージTSを参考されましたか?
◆VA:
いわゆるヴィンテージテイストは僕の耳による所が大きいです。僕は元々SRVが好きで、シングルコイルのフロントで弾いた時にええ感じの音や!って思えるようなチューニングになっています。しかし、せっかく時代は進化しているのだから、ヴィンテージの良いところは残して、もっと柔軟なサウンドが出せるようにしたいと思っております。両電源化も「ICL7660S」というICがなければ回路が複雑になりますから。
■魔法の箱研究所:
両電源駆動、これを採用した理由、狙いは何でしょう?
◆VA:
綺麗に昇圧というか、無理せず昇圧というか、イメージ的には(厳密には違いますが)、エフェクターの心臓部分(オペアンプ)に負担がかからないよう駆動させています。また両電源の効果としては昇圧と同じ効果 + α です。αの部分には入力のコンデンサが不必要になることで、ギターの生信号に影響を与える要素が減るのでよりダイレクトに増幅してくれます。またGNDが安定しているので、レスポンスが良くなることが期待されます。
■魔法の箱研究所:
Nagaseさんが一番初めに作られたエフェクターは?
◆VA:
もう5年以上前ですので記憶が定かではありませんが、確かBOSSのOD-1だった気がします。当時は、回路に対する知識などは皆無で、ICの向きを間違えて最初のは音が出ませんでした。それから随分勉強しました。
■魔法の箱研究所:
Nagaseさんが好きなペダル、影響を受けたメーカー、ブランド、ビルダーの方はいらっしゃいますか?
◆VA:
やっぱりBOSSは好きです。最初に買ったのがBD-2で、未だに愛用しています。BOSSはBOSSらしい回路でエフェクターを作るので、BOSSの歪みの裏蓋を開ける度にBOSSはやっぱすげーなと思わされます。個人的にはかなり特別なメーカーです。
ビルダーさんはやっぱりShun Nokina氏ですね。彼はいろんな意味で異次元の人です。ペダルビルダーがかっこいい仕事っていう認識はやっぱりNokina氏が作り上げた価値観だと思います。
■魔法の箱研究所:
Nagaseさんが「PPSE ’79」を使われる時、どのようなセッティングで使われますか?
◆VA:
僕は基本シングルコイルのギターしか弾かないのですが、ハーフトーンにして、gainを強く弾くとガシャンって歪む感じにして、ピッキングニュアンスを出して弾くようなセッティングが結構好きです。個人的にはMXRのカーボンコピーとの相性が素晴らしいです。
最近、今更ながら「凛として時雨」にハマっておりまして、PPSEはabnormalizeという曲のアルペジオなんかを結構いい感じに演出してくれます。
かなり万能に使えるようなエフェクターに仕上げていると思っていますので、買って頂いた方に好みのセッティングを見つけて欲しいですね。
■魔法の箱研究所:
この「PPSE ’79」ですがどんなプレイヤーに使ってほしいですか?
◆VA:
やっぱり女性のギタープレイヤーにたくさん使って欲しいです!あと、学生さん!9800円は学生さんのために結構身を削って価格設定しておりますので。とはいえ、ブルース好きのイカしたオジサンにもウケて欲しいです!
(個人的にはきのこ帝国の佐藤さんに使って欲しいです…)
いかがだったでしょうか。インタビューの中で気付いたこともあり、お話を聞けて良かったです^^Nagaseさん、ありがとうございました!
まとめ
プリアンプ的に使うも良し、オーバードライブ、ブースターとして使っても良し、使い勝手の良いエフェクターに感じました^^
そして何といってもコスパがやばいです。なんと…9,800円だそうです。出音、見た目からしてこの値段は破格かと。
低価格帯のエフェクターは増えていますが、新たな選択肢が増えたといえそうです( ̄▽ ̄)
気になられた方は一度、問い合わせしてみてください(※)
※魔法の箱研究所の記事を見た!とお伝えいただけますと嬉しいです♪
最後に。 Vin-Antique LabのNagase氏、ありがとうございました^^
こちらから購入可能です^^
↓↓↓
「Vin-Antique Lab」WEBサイト
→ https://www.vin-antique.com/
「Vin-Antique Lab」Twitter
→ https://twitter.com/VinAntique
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