今回、レビューする「Organic Sounds ORGA TONE」は、あの「ELKA DIZZY TONE」を再現したファズエフェクターです!
さて、そもそも「ELKA Dizzy Tone」とはなんぞや?と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、Organic Soundsの公式サイトで説明されています。
1966年、英BURNS社のBUZZAROUNDとほぼ同時期に発売されたと言われる、イタリアELKA社のDIZZY TONE。Organic Sounds 所有のオリジナルと実際に比較し、特徴的な筐体を含め忠実に再現。
引用元:Organic Sounds ORGA TONE 商品ページより
「ELKA DIZZY TONE」は僕も友人からオリジナル(ヴィンテージ)を借りて、弾いたことがありますが、とにかくカッコいい音がするファズでして。
機材協力:Thanks! bc183l
「Organic Sounds」と言えば、ぼくも愛用しているファズフェイス(Orga Face66)でよく紹介していますが、この「ELKA DIZZY TONE」を再現したペダルとのことで、楽しみにしていました。
ペダルレビュー | オリジナルさながら!拘りの筐体デザイン
毎回、「Organic Sounds」のペダルはもう…見た目がヤバい…
今回の「ORGA TONE」もオリジナル(ヴィンテージ)さながら。筐体が凝りに凝りまくっています。
ヴィンテージ「DIZZY TONE」を彷彿させるルックス
この鈍器のような見た目、一見すると重たそうですが、実際は重たくありません。
とはいえ、このルックス、存在感は抜群です。
筐体裏側を見ますと、オリジナル同様、きちんと隙間まで空いています。
コントロールは「SUSTAIN」「ATTACK」「BALANCE」の三つ。
これらのツマミですが、一般的な歪みエフェクターで例えてみますと、こんな感じ。
- SUSTAIN(ゲイン)
- ATTACK(トーン)
- BALANCE(レベル)
とはいえ、三つのツマミは干渉しますし、ATTACKはゲート感のコントロール、BALANCEは低域側の出方なども変わります。
慣れるまで、ここだ!というセッティングを見つけるのが難しいかもしれませんので、最も凶悪なサウンドが鳴るセッティング、SUSTAINとATTACKはMAX、BALANCEで音量を調整すると良いかも。
僕の場合、ギターボリュームを絞った時にゲートのかかりが、ちょうど良いポイントまで、SUSTAINとATTACKを下げたセッティングで鳴らすのが、とにかく楽しかったですね。
ギターやアンプにもよりますが、僕の場合、SUSTAINは8〜9ぐらい(MAXを10として)。ATTACKが5〜6ぐらいで鳴らすのが好きでした!
ちなみにオリジナルの場合、ケースの噛み合わせが悪いです(古いものなので仕方ありません)が、この「ORGA TONE」の筐体はしっかりしているため、電池交換の際もイライラしません(笑)
ゲルマニウムトランジスタ別に2バージョンで販売
この「ORGA TONE」ですが、ゲルマニウムトランジスタが2バージョンで販売されています。
- SFT353 x 2 / OC44 x 1
- SFT353 x 2 / SFT308 x 1
引用元:Organic Sounds 公式サイトより
このゲルマニウムトランジスタの違いはオリジナルでも存在し、OC44が前期型、SFT308が後期型だそう。
今回、レビューする個体は「SFT353 x 2 / OC44 x 1」となります。
SFT308のほうがゲート感のあるサウンドとも聞いていますが、OC44バージョンでも特徴的なゲーティーなサウンドは感じられましたね(詳しくは後ほど紹介します)。
また、他のパーツもヴィンテージパーツなど雰囲気のあるものが使われているなど、基板を眺めるのが好きな方には堪らないでしょうね!
では、肝心のサウンドはどうなのか?レビューします!
サウンドレビュー | DIZZY TONEサウンドに肉薄するのか
結論から言いますと、この「ORGA TONE」、「DIZZY TONE」サウンドの特徴や雰囲気は十分に堪能できるクローンモデルです。
今回、弾いた時にはオリジナル「DIZZY TONE」は手元になかったため、記憶と擦り合わせての感想ですが、オリジナルより少し音は硬めではあるものの、僕が「DIZZY TONE」に求めるサウンドは鳴らすことができました。
ちなみに「ORGA TONE」の元ネタである「DIZZY TONE」を語る上で、外せないヴィンテージファズペダルがあります。
同じ頃(1960年代後半)に登場したファズ、英国製の「BURNS BUZZAROUND」「TONE BENDER MK3」です。
「ELKA DIZZY TONE」はイタリア製、同時期に世に登場したファズペダルたちです。
「BUZZAROUND」はオリジナルを弾いたことはありませんが、Organic Sounds、他のクローンモデルは何台かチェックしたことがあります。
「TONE BENDER MK3」は貴重な68〜69年頃の個体を弾かせていただいたことがあります。
機材協力:Thanks! @MtasWest
「ELKA DIZZY TONE」はこれらのファズペダルよりも、バサッとした毛羽立ち感とゴツゴツした岩のようなサウンド、ゲートのかかったような切れ味のあるサウンドが特徴的ですね。
「ELKA DIZZY TONE」は扱いにくいという話も聞きますが、ファズ好きな方であれば、おそらく…ほとんどの方が虜になるサウンドかと(笑)
「DIZZY TONE」らしさは十分に感じるクローンファズ
「ORGA TONE」ですが、贔屓目なしに「DIZZY TONE」らしさが感じられ、僕が使いたい使い方にもバッチリ、ハマりました。
ちなみに僕の環境で「ORGA TONE」を好きなように鳴らしてみるとこんな感じ。
この「ORGA TONE」、特にSGジュニアで鳴らした感じがたまらなく好きでした!
セッティング次第で凶悪なファズサウンドはもちろん、動画でもちょこちょこギターボリューム触っていますが、絞った時のゲーティーなサウンド、しかも面白いのがピッキングの強弱でゲートのかかり具合もコントロールできることです。
また、手元(ギターボリューム)を絞った時にゲートがかかるぐらいにセッティングした状態で、揺れモノ系エフェクターで組み合わせて弾くイメージも湧きました!
先ほど紹介したストラトで弾いている動画の「2:59〜」から、ピッキングの強弱でゲートのかかり具合をチェックしています!
動画ではワンボリュームアンプのFender 63 Vibroverb(ボリュームを上げると歪むアンプ)で鳴らしていますが、クリーンなアンプで鳴らすとより、その特徴がわかりやすいですね。
あえてオリジナル「DIZZY TONE」から変更している点
ポットの効き方はオリジナルのポットはBカーブであるのに対し、「ORGA TONE」はAカーブを採用しているおかげで、エフェクトの効きがオリジナルよりもツマミの効き方が良くなっています。
実際、オリジナルの「DIZZY TONE」はツマミを触った時、「ん?音、変わってる?ツマミの効く幅、狭くない?」と感じた記憶があります。
このポットのカーブを変更した恩恵で、僕が「DIZZY TONE」を弾いた時に「使いたい!」と感じたポイントを探りやすく、狙ったサウンドを作りやすくなっていたのは非常に有難かったです。
ヴィンテージと違いガンガン使えるのも嬉しい点
オリジナル、ヴィンテージペダルを使うのは怖いものです。
友人に「DIZZY TONE」を借りた時も壊れないかドキドキしました…
あくまで僕の感覚での話ですが、ヴィンテージペダルも60年代のものって…本当に壊れそうな雰囲気があるんですよ…
この「ORGA TONE」なら、壊れても修理してもらえますし、気兼ねなくバンバン踏み倒すこともできるのが何より嬉しい点です(笑)
「ORGA TONE」を購入された方々がSNSでアップしている動画も紹介
SNS上でも素晴らしい動画をアップされている方がいらっしゃいますので、併せて紹介しておきます!
勝手に紹介していますので、削除してほしい!と言う方はTwitterのDMからご連絡いただければと思います!
僕のOC44バージョンとは違い、SFT308バージョンの動画をアップされている方もいらっしゃいます!
プレイヤーによって、いろんな鳴らし方があって面白いですし、テンションの上がるサウンドで鳴らしていらっしゃる感じもあって良いですね!
まとめ
凶悪で破壊力のあるファズサウンドが欲しい方であれば、この「ORGA TONE」は弾いてみてほしいペダルです。
そして、ゲートのかかった切れ味の良いサウンド、一度ハマると病みつきになるはず。
あとは何と言っても見た目!音は良いことは当然のことですが、エフェクターはやっぱり見た目も大事。
しかも、手に入りにくいヴィンテージファズ「ELKA DIZZY TONE」が、自分の足元にあるかのような満足感。これは好きな方からすれば、所有欲、かなり満たされます(笑)
ただ、残念なのが…このレビューを公開しているタイミングでは売れ切れになっていること…
ですが、なんと…時期は未定だそうですが、再販する予定があるとのこと!まだ手に入る可能性はあります!
再販された時に今回のこのレビューが…再び読まれることを願っています(笑)
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