「BOSS FZ-1W Fuzz」 WAZA Craftシリーズから発売された話題のファズペダルをレビューします。
シリコントランジスタを採用、「TB-2W」で得たノウハウから開発された「1」の名を付けられたペダル。
この動画を見て…「これは買わねば」と発表時に思わされました。
「TB-2W」はレビューしましたが「さすがBOSS」と感じた経験からも、今回はお世話になっていた楽器店へ予約、ゲットしてみました。
ペダルレビュー|FZ-1WはBOSSコンパクトペダルらしい仕様に扱いやすいファズペダル
「FZ-1W」はBOSSコンパクトペダルらしい、見ればわかる仕様です。
出音もそうですが、扱いにくさは感じないファズペダルです。
では詳しく見ていきましょう。
FZ-1WはVintage・Modern、2種類のファズモードが選べる
「FZ-1W」は2種類のモードを選択可能。
- Vintage MODE(ヴィンテージモード)
- Modern MODE(モダンモード)
2種類のモードを搭載することで、環境(アンプ等)を選ばず鳴らすことができるファズペダルです。
Vintage MODEはクランチさせたアンプ、Modern MODEはクリーンなアンプで鳴らしたい、そう感じました。
詳しくは後ほどサウンドレビューで紹介します。
各ツマミはBOSSコンらしい、わかりやすい仕様
ツマミは3つ。
- LEVEL(音量調整)
- TONE(高域調整)
- FUZZ(歪み量の調整)
LEVELはファズペダルらしく、上げていくと単に音量だけでなく、高域の出方や音の張り出し感も変わります。
TONEは上げ切ってもシャリシャリとうるさい感じではなく、使える範囲でセッティング可能。
基本12時の位置でスタートすればOKですが、僕の場合は手元(ギターボリューム)を絞った時に程よく高域が抜けてくるポジションでセッティングしています。
FUZZ、歪み量は高め。Modern MODEではかなり歪みます。Vintage MODEでも今回、ヴィンテージファズフェイスと比較してみましたが、歪み量に違いを感じました。
そしてさすがというべきか…ノイズはかなり少ないです。
かといって、面白くない音ではないあたりはさすがBOSSといった印象でした。
FZ-1WはエフェクトOFF時はバッファードのみ、TBモードはなし
エフェクトOFF(バイパス)時はバッファードのみ。
WAZAシリーズのバッファーということもあってか、メリハリのある元気なバッファーサウンドです。
「TB-2W」のようにTB(トゥルーバイパス)とバッファードの切り替えはできません。
電源は9Vのみ、マンガン電池で鳴らしたい
外部電源は9Vのみ対応。この辺も「TB-2W」とは異なります。
また購入時、入っている電池はアルカリ電池ですが、マンガン電池に交換した時の音のほうが僕は好きでした。
まだ試していませんが電池もいろいろ試すと面白そうですね。
サウンドレビュー|FZ-1Wを真空管アンプとジャズコ(JC-40)でチェック
今回はチェックにあたり、アンプは真空管アンプとソリッドステートアンプ(ジャズコーラス)でチェック。
- 真空管アンプ(Fender 63 Vibroverb EVA MOD)
- ソリッドステートアンプ(Roland JC-40)
ギターはストラトキャスターでチェックしました。
BOSS FZ-1W Fuzzをヴィンテージファズフェイスと比べてみた
今回はせっかくなので、比較用ファズペダルに70年代初頭シリコントランジスタファズフェイスも用意。
こちらのファズフェイスはBC108、いわゆるシリコンファズフェイスとしてはスタンダードなモノ。
チェック時は真空管アンプ、手元(ギターボリューム)やピックアップポジションを変更(ネック&ブリッジ)しながら弾いています。
「低域の出方に違いがある」「扱いやすいファズペダル」と感じたのが第一印象。
低域の出方は「FZ-1W」のTONEを10〜11時ぐらいに設定すれば近づくかも?と試しましたが、手元(ギターボリューム)を絞った時の高域の出方が変わるため断念。
とはいえ、ギターボリュームでクリーンはもちろん、クランチサウンド作れますし、手元をフルアップした時にはファズらしい毛羽立ち感もある、これはこれでカッコ良いと感じました。
逆にファズフェイスの低域が扱いにくい方には「FZ-1W」は向いているでしょうね。
ちなみにギターボリュームを絞った時、キラッとした高域(鈴鳴り感と言われる方もいるでしょう)が弱いと感じられる場合、TONEではなく「VOLUME」を上げると良いです。
そのほうが音量だけでなく、音が前に張り出してくる、迫力のあるサウンドが得られます。
BOSS FZ-1Wとジャズコーラス(JC-40)の相性をサウンドチェック
BOSSコンパクトペダルといえば、ジャズコとの相性も考えられているはず、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ということで、今回は手持ちのJC-40でサウンドチェックしてみました。
結論から言いますと動画後半(1:42〜)から鳴らしていますが、Modern MODEはなかなかに良かったです。
「Modern MODE」はゲインが高め、低域側もどっしりとしつつも飽和しないまとまりのある出音、JC-40からも迫力のあるファズサウンドを鳴らせる印象でした。
もちろん、ギターボリュームを絞った時もリニアにゲインコントロールが可能、ハリのあるクリーンから食い付き感のあるクランチサウンドが鳴らせました。
「Vintage MODE」に関しては動画(0:38〜)で鳴らしていますが、DistortionをONにしてあげたほうが僕は良い印象でした。
クランチするアンプと組み合わせて鳴らしてあげる、そんなイメージですね。
つまり、ファズ受け、ファズと相性の良いオーバードライブエフェクターやプリアンプペダルと組み合わせてあげるのも一つです。
ファズとの相性が良いペダルについては僕も研究していまして、別に動画をアップしていますので、併せてご覧いただければと思います。
FZ-1Wはワウペダルを前段に繋いでもちゃんと効く
ワウペダルをファズ(Fuzz Face)の前段に繋いだ場合、ワウエフェクトが綺麗にかからない場合がありますが、FZ-1Wは問題なくワウサウンドが鳴らせます。
ギターボリュームをMAXでワウペダルを踏んでも発信音が鳴ることもなく、また絞った時でもノイズが増えることもなかったです。
ちなみにVintage、Modern、両モード共にワウは効きました。
ワウ好きな僕としても…ワウと組み合わせた時に普通にワウワウ鳴ってくれる、ワウペダルが使えるのは理想であるため、この配慮は非常に嬉しかったポイントでした。
気になった点は、エフェクトONにした時にやや音がスムーズに繋がらない場合がある(セッティングによって)ことぐらい。エフェクトONにした時にインピーダンスを調整している?かはわかりませんが。
バッファードペダル(バッファーペダル)の後ろに繋いでもFZ-1Wは使えそう
ファズペダルといえば、バッファードペダル(BOSSペダル)やバッファーペダルの後ろに繋げると、本来の良さが損なわれたり、ピーキーなノイズが増えるたりする場合がありますが、このFZ-1Wは大丈夫そう。
全く影響を受けないわけではありませんが、ややタイトなサウンドに変化する、ノイズもやや増えるといった感じで、使えないレベルではなかったです。
僕はFZ-1Wの前にBOSSのSD-1やOD-3を繋いでチェックしましたが、セッティング次第では「FZ-1Wを歪みペダル等でブーストする」といった使い方もできます(僕はモダンモードだけで弾き切りますが笑)。
実際には試していませんが、TS-9などと組み合わせ、EJ風サウンドを狙ってみるのも面白そう。
バッファーペダルをペダルボードの先頭に置いている方でも、導入しやすいファズペダルと言えそうです。
また動画を撮りましたら、こちらで紹介します!
まとめ
BOSS FZ-1W、僕は手に入れて良かったです。
さすがBOSSというべきか、アンプなど環境にも依存しにくく、かつ使い所が見えるファズサウンド。
「ヴィンテージファズと違う」といった印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、BOSSの解釈としては正解じゃないかなと。
そして嬉しいことに、この「FZ-1W」は限定品ではないため、製造してくれる限り、手に入れることができるということ。
壊れても修理、もしくはバックアップ用に手に入れることができるのはプレイヤーにとって、有難いですよね。
価格は22,000円(税込)と高い印象があるかもしれませんが、環境を選ばず鳴らせる&一台で2役こなせることを考えれば、お買い得なファズと言えます。
ファズ好きの方にはもちろん、初めてのファズペダルとしても試してみてほしいモデルです。
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