Warm Audio ODD BOX V1をレビュー!初期FULLTONE OCDとも比較

4.5

Warm Audio ODD BOX V1をレビュー、今回は所長が所有する本家Fulltone OCD V1.1を用意し比較してみます。

Warm Audio ODD BOX V1
Warm Audio ODD BOX V1
Fulltone OCD V1.1
Fulltone OCD V1.1

Warm Audioは以前にレビューしたCENTAVOもそうですが、名機を手に入れやすい価格で販売しているメーカーです。

今回レビューするWarm Audio ODD BOX V1は、Fulltone OCDのクローンモデルであり再現度について以前から気になっていました。

Warm Audio ODD BOX V1の仕様について

Warm Audio ODD BOX V1の仕様はOCDと変わらず、ツマミはVolumeとDrive、Toneの3つです。

OCDでいうHPがUK、LPがUSと表記されたモード切り替えのミニスイッチを搭載されています。

HPとLPにおけるサウンドの違いは、ODD BOX V1でわかりやすい表記となっています。

  • UK(HP):Marshall系
  • US(LP):Fender系

外観も印字など違いはあるものの、形状はOCDを彷彿させるデザインです。

筐体を固定しているネジが、手で回せる仕様なのもありがたい。

筐体の材質も重量感があり、内部の基板を見ても表面実装基板ではありません。

Warm Audio ODD BOX V1 基板写真
Warm Audio ODD BOX V1

きちんとした作りである上にサウンドハウスで販売価格が18,500円(税込/2024年6月時点)と、以前OCDが最も安く販売されていた価格に迫る設定。

さらに仕様はもちろん、梱包もきちんとされているなど価格帯からは考えられません。

ちなみに元ネタとなったOCDには、いくつかのバージョンが存在することは知っている人もいると思います。

ODD BOX V1がどのバージョンのOCDに当てはまるのか、調べてみました。

Warm Audio ODD BOX V1はOCD V1.4の仕様に近い

Warm Audio ODD BOX V1は、ボリュームポットの値やクリッピングの仕様から見ますとOCD V1.4の仕様に近いことがわかりました。

ODD BOX V1とOCDの仕様を比較した結果
比較項目ODD BOX V1OCD→
V1.1
V1.2V1.3V1.4V1.5V1.6 & V1.7*
ボリュームポット500kB100kB500kB500kB500kA or 100kA100kA100KB
クリッピングmos-fet×mos-fet
+
ゲルマニウムダイオードの非対称クリッピング
mos-fet×mos-fetの対象クリッピングmos-fet×mos-fetの対称クリッピングmos-fet×mos-fetの対称クリッピングmos-fet×mos-fet
+
ゲルマニウムダイオードの非対称クリッピング
mos-fet×mos-fetの対称クリッピングmos-fet×mos-fetの対称クリッピング
1段目の増幅部のポット1MA500kA(1MAの個体と比べると最大ゲインが半分)500kA(1MAの個体と比べると最大ゲインが半分)1MA1MA1MA1MA
ローカット周波数調査中720hz720hz720hz1063hz1063hz1063hz
1段目の増幅後のクリッピングと
並列に入っているハイカットの周波数
調査中15915hz15915hz15915hz15915hz1446hz15915hz
1段目と2段目における増幅部のハイカット周波数
(1段目はゲインツマミと連動するため、ゲイン最大時を記載
調査中1段目:1396hz
2段目:4822hz
1段目:1396hz
2段目:4822hz
1段目:473hz
2段目:3215hz
1段目:710hz
2段目:4822hz
1段目:710hz
2段目:4822hz
1段目:710hz
2段目:4822hz
HP/LPのハイカットの周波数調査中HP:120hz
LP:48hz
HP:120hz
LP:48hz
HP:256hz
LP:102hz
HP:256hz
LP:102hz
HP:256hz
LP:102hz
HP:256hz
LP:102hz
※両者は電源部のノイズフィルターの定数が違うだけ
情報提供:Zauber Pedalas

判明しているデータを見ると、OCD V1.4のサウンドに近いと予想されるところ。

しかし驚いたのが、初期型のOCD V1.1のサウンドに寄せられたことです。

ODD BOX V1でOCD V1.1のサウンドを再現してみた

今回の検証で、ODD BOX V1をOCD V1.1のサウンドに寄せることができました。

こちらのレビュー動画で紹介しています
Fulltone OCDのサウンドを再現!Warm Audio ODD BOX V1をレビュー

ボリュームポットの影響からOCD V1.1のほうが、12時あたりで音量は大きいことや高域の出方が異なることを加味してセッティングしてみました。

18Vで駆動させた時は違いが出やすいとはいえ、動画のセッティングならOCD V1.1に酷似したサウンドが鳴ってくれることがわかると思います。

ODD BOX V1、OCDともに9V〜18Vで駆動できるエフェクターです。

ちなみにODD BOX V1と仕様の近い、OCD V1.4を元にしたOCD-Geを弾いた時、OCD V1.1に寄せられませんでした。

ODD BOX V1を弾いた第一印象はギターボリュームを絞った時にこもりにくいなど、OCD V1.7に近いと感じたものの、初期V1.1にここまで寄せられたのは嬉しい誤算でした。

Warm Audio ODD BOX V1はOCDの代わりになるエフェクター

検証の結果からWarm Audio ODD BOX V1は、OCDの代わりになるエフェクターだとわかりました。

所長としては所有するOCD V1.1に似たサウンドが鳴らせたことで、バックアップ用ペダルを発掘できたのは大きかったです。

FulltoneのOCDがいまだに高値で取引されることから考えても、2万円を切る価格で手に入るのは嬉しいところでしょう。

見た目こそ少し違うものの、遠目で見ればOCDに見えるルックスですし、筐体もしっかりしているなど安っぽくないのも良いですね。

OCDが気になっている人は、動画レビューのセッティングを参考に鳴らしてみてください。

サウンドハウス

管理・運営者
この記事を書いた人
efmania

今まで試したエフェクターは500台以上。「魔法の箱研究所」所長である「efmania」が実際に試した楽器機材(エフェクター・ギター・アンプetc)のみ紹介、レビュー。Effector Bookへの寄稿、ペダルブランド、メーカーからの機材レビューも担当。

〜コラム寄稿 雑誌/書籍〜
ギターマガジン「識者に聞く歪みペダル最新事情!」に寄稿しました!

>>>ご購入はこちらからどうぞ!

efmaniaをフォローする
魔法の箱研究所 YouTubeチャンネル

当サイトでレビューし切れていない機材も、YouTubeに動画レビューとして随時アップしています!

是非、チャンネル登録をお願いいたします(^^)/

Over Drive
シェアする

コメント