フェンダーカスタムショップ製、60年スタイルのストラトキャスター、僕のメインギターです^^
購入した理由は当時、レッチリのジョン・フルシアンテ氏が大好きだったから。
ヴィンテージはとてもじゃないけど買えない…でも、フェンダーのストラトキャスターが欲しい!一生モノのギターを買う!と決意して買ったことを覚えています。
サウンドレビュー
このストラトキャスターは2006年製、レビュー、試奏の多くもこのギターで行っています。
僕がこのギターを購入した時、同年代のカスタムショップ製ストラトキャスターを数本弾きました。
なぜなら、90年代カスタムショップ製を弾いた時、個体差、鳴りやネックの状態が思わしくないハズレ個体と感じるギターがあったからです。
しかし、それほど個体差はなかったため、見た目(色、レリック加減)と友人の楽器店で売り上げに貢献しました(笑)
僕の中で「ストラトらしい音がする!」と感じたギターであり、長年弾いていることから、僕の中ではストラトサウンドの基準になっています。
レギュラーモデルとの違い・スペック・特徴
カスタムショップ製とレギュラーモデルとの違いですが、カスタムショップ製に使用される木材が選定材であること。
とはいえ、マスタービルダーラインほど、選定された木材は使用されてない印象はあります。
ただ、ボディのコンター、エルボーの加工(面取り含め)、組み込み精度、塗装などはレギュラーラインとは明らかに違います。
では、2006年製「Fender Custom Shop 60’S Stratocaster Relic」のスペックや特徴を見ていきましょう。
ピックアップについて
搭載されているピックアップの直流抵抗値は「5.5kΩ前後」と低め。
「FAT 50’S」や「Texas Special」など、搭載しているギターと比べると…音に派手さはありません。
モダンなサウンドではなく、ローパワーでヴィンテージ系サウンドが特徴です。
嫌いではなかったのですが、ピックアップは現在、乗せ変えています^^
詳しくは後ほど紹介します!
ネックグリップについて
ネックグリップはスリムなUシェイプです。
この年代の60’Sモデルは、比較的スリムなネックシェイプの個体が多い気がします。
僕は手が大きくないので、かなり弾きやすいネックシェイプですが、太めのネックシェイプが好みの人には、握り応えが物足りないかもしれません。
ちなみにレギュラーラインであった、「American Vintage ’59 Stratocaster」よりも細めに感じました。
ただ、平たい、薄っぺらい感じではないため、友人などからも弾きやすいネックシェイプと好評です^^
塗装について
塗装はラッカー塗装。
レリック仕様モデルだったのですが、購入時はそれほどレリック加工はされていませんでした。
しかし、長年弾いているうちに徐々に塗装が剥がれてきました(笑)
コンター、エルボーの形状はレギュラーラインと比べ、ヴィンテージのように深く、面取りもきちんとされています。
さすがにヴィンテージギターのような、塗装の剥げ方はしませんが、現行品でも塗装は剥げることを知りました(笑)
レリックシリーズの塗装は、NOSシリーズなどに比べると塗装が薄いと聞いたことがありますが、剥げてきたのはそのためかもしれませんね^^
…で、もともとの音に、大きな不満があったわけではありませんが、ヴィンテージのストラトと比較した時がありまして。
「カスタムショップ製でもヴィンテージサウンドに近づけられないか?」
そう考えるようになりました。
ヴィンテージストラトサウンドを求めてモディファイしてみた
ヴィンテージのストラトと比べ、まず初めに自分のギターで気になった点。
それはフロントピックアップの音が、ちょっとモコモコして抜けが悪かったことでした。
これはおそらくですが…オリジナルのピックアップが、一般的にイメージされる60年代前半、中域がファットなストラトサウンドを狙っているためかなと。
あとヴィンテージのストラトと比べ、どうしても音の密度やレンジ感が違うなぁ…と。
ピックアップの音からしても、せめてもう少し「わざとらしくない」、ヴィンテージストラトサウンドを目指せないものか?
そこでパーツ交換や調整など色々試してみました^^
僕がストラトでモディファイした6つのポイント
僕がヴィンテージストラトサウンドに近づけるために改造したのは以下、6つ。
- ピックアップ
- コンデンサー
- アウトプットジャック
- ブリッジサドル
- イナーシャブロック
- ペグ
「NJS Classics Strat pickup Black Bottom 60」へ→現在は「Fender Abigail Ybarra PU」でサウンドチェック中
「Sprague 0.1mF 50V(vintage capacitor)」へ
1960年代のヴィンテージジャックへ
「Fender Pure Vintage Saddle」へ
「Fender Pure Vintage parts」へ
「KEY’STONE FS-STD/NICKEL 6」へ
では詳しく見ていきましょう!
ピックアップは「NJS Classics Strat pickup Black Bottom 60」へ
ピックアップは「NJS Classics Strat pickup Black Bottom 60」に交換。
このピックアップを交換したことで、フロントピックアップの不満は解消されました^^
ストラトキャスターのピックアップ交換歴は「おすすめのリプレイスメントピックアップ~ストラトキャスター用~」をご覧ください^^
この「NJS」ピックアップ、フェンダーらしい鈴鳴り感もありますし、ブリリアントでバイト感、芯のある音が鳴ってくれます。
各ポジションでのバランスも良く、低出力で変な癖もないため、ファズとの相性も良い点も気に入っています。センターがRWRP、逆巻きなのが惜しいところですが…
あとピッキング、タッチにも繊細に反応してくれるため、良い練習にもなりますね(笑)
他のピックアップに…浮気しそうになった時もありましたが結局、戻っています。
オススメのピックアップですが、国内の在庫がなかなかないみたいなのが残念ですが、「Rocketfire Guitars」で取り扱われており、海外での評価も高いみたいですね。
見かけたら是非試してほしいです^^
フェンダーギターにはフェンダーピックアップだろ!という話から現在、Abigail Ybarra PUとCougen Pickups Alnico5をテスト中です。
コンデンサーは「Sprague 0.1mF 50V」へ
交換したコンデンサーは、1960年代のスプラグ社製セラミックコンデンサー。
レプリカではなく、当時のストラトに搭載されてた同じもの、ヴィンテージコンデンサーです^^
このコンデンサーに変更したことで、「適度なざらつき」が得られ、「音の曇り」が無くなった気がします。
あとはトーンを絞った時にも、音にコシが残るようになった気がしました^^
”コンデンサーを変えても音は変わらない”とおっしゃる人もいますが、僕は変わると考えています^^
コンデンサーによって、音がこもって聴こえることもありましたし^^;
レスポールではオイルコンデンサーなども試しましたが、ストラトなら「セラミックコンデンサー」がベストだと考えています^^
またボリュームポットにスムーステーパーを入れていた時期もありました。
なるべく、ボリュームを絞った時にわざとらしくなく、良い感じに高域残るよう調整したかったため、友人に頼み、可変抵抗器付きの物を作ってもらいました。
このスムーステーパーは市販品ではないので、もし気になる人はお問い合わせください^^
ファズペダルを多用するようになったので、現在はスムーステーパーは外しています^^;
アウトプットジャックを「ヴィンテージジャック」へ
60年代のスイッチクラフト、ヴィンテージジャックが手に入る機会があったで、興味本位で交換してみました^^;
ヴィンテージパーツを用いることで、「イナタいサウンド」が得られると聞いていたからです。
…で、実際換えてみたところ、大きな変化が得られた印象は弱かったかな…と。
その場で交換し、比べてなかったので、実際は変化があったのかもしれませんが、「うぉ~!変わった!」とまで実感はなかったです^^;
検証してみたところ、現行スイッチクラフトジャックと比較すると音の硬さが取れ、やや中低域に寄った感じになり、まとまりと音が落ち着いた印象がありました。
これは思っていたより、出音に大きな影響を与えている要素かもしれません^^;
ブリッジサドルを「Fender Pure Vintage Saddle」へ
ブリッジサドルは、Fender Pure Vintage Saddleへ交換。
Fender Pure Vintage Saddleは、2016年のヴィンテージシリーズに採用されているパーツです。
ヴィンテージサドルから採寸、拘ってリリースされたパーツとのこと。
サドルを換えることで音が変わることは以前、RawVintageのサドルに換えた時に検証しました。
ただしPure Vintage Saddleにかえたことで、 音が散りにくく、良いレンジ感でおさまってくれると感じました。
さらに分離感、巻き弦のブリリアントさが強調される気もしました。
中域にグッと音が寄る感じ、これはヴィンテージストラトに通ずるとも感じました。
交換したての頃は「イナたい感じがなくなった」とも感じましたが、今では落ち着きましたね!また交換したばかりの頃は1~2弦が切れやすかったため、サンドペーパーでバリ取りはしました^^;よくある話みたいですけどね(笑)
イナーシャブロックを「Pure Vintage parts」へ
ブリッジサドル同様、イナーシャブロックもPure Vintage partsへ交換してみました。
ボールエンドが浅いためか、交換後はフローティング加減は弱くなりました。
落ち着いた、やはり音が散らなくなったと感じました。
音質の傾向は、Pure Vintage Partsに共通しているかもしれませんね。
あとアームを装着してもガタツキも気にならないため、アームスプリングは使う必要はなくなるなど、品質も上がっていると感じました。
ペグは「KEY’STONE FS-STD/NICKEL 6」へ
KEY’STONE FS-STD/NICKEL 6は、楽器店KEYさんのオリジナルペグです。
このペグはゴトー社製のものですが、ヴィンテージ同様のブラスシャフトを採用しているとか。
変化はスタジオなど、大きな音量で弾くと明白であり、明らかに低域の出方と発音が強調されるようになりました。
音が散る印象も減りましたが、これはブリッジサドルを替えた時のほうが顕著でしたね。
結果的に「Pure Vintage Saddle」と相まって、狙っていたサウンド、バランスも取れた気がしています^^
セレクタースイッチでも音は変わる
最近のストラトの場合、ハーフトーンがだせるよう、5WAYスイッチが採用されている、もしくは変更しているいる人もいるでしょう。
実はセレクタースイッチ、「接点が少ないほうがピュアな音がするよ」という話を聞きまして。
でもこれは僕自身、3WAYスイッチのほうが音が太かった気がする…とも少し感じてたんですよね。
そこで5WAYスイッチから、3WAYスイッチに交換してみたところ、僕的には当初の思惑どおり、より芯のある太い音になったと感じました。
ハーフトーンを使わない人なら、一度試してみると面白いですよ^^
モディファイの結果、ヴィンテージサウンドに近づいた
狙っていたことは達成できたと僕は満足しています^^
正直、ヴィンテージストラトと音は違いますが、出音のニュアンスは近づいたな、と。
特に手に入れやすいもので、変化に期待できるのが「Pure Vintage Saddle」ですね。
ギター本体の個体差もあるでしょうけど、音の立ち上がりやレンジをあえて寄せるなど、今よりも芯のある音が欲しいなら効果的かもしれません^^
「あともう少し」のサウンドチューニングができるアイテム!
「もう少し音を太くしたい」「音に分離感を持たせたい」
そんな時に効果的なアイテムがあります。
それは「B.Air Swing Chip」です^^
「え?こんなモノで音は変わるの?
そう思われた方はこちらの動画をご覧ください( ̄▽ ̄)
この動画ではブリッジハンガーに、「B.Air Swing Chip」を取り付けていますが、音に密度が増し、芯のある音が鳴ってくれるように。
こういったあとほんの少しの追い込みができるアイテムなんです。
この「Swing Chip」、取り付けるギターによって効果は異なりますが、例えば、ヘッド裏につけると音が太くなる効果もあります。
ペグやブリッジ、ピックアップ交換より、かなりお安く、取り付けも簡単、試してほしいアイテムです!
ギターは経年変化によって音が変わる
購入当時、実はそんなに「鳴る」ギターではなかったんですよね^^;
ただ弾くこと数年、鳴りは良くなってきていると思います^^
実は先日、久々に友人と会った時に、「あれ?このギター、生鳴りこんな感じだったっけ?」といわれましたが、僕自身も鳴りの変化は感じています。
現行品も捨てたもんじゃないな、そう教えてくれたギターでもありますね^^
2000年以降のカスタムショップストラトについて考察
カスタムショップのギター、マスターグレードシリーズ以降のものは、2000年以降のものは生鳴りの感じも変わったと感じています。
おそらくですがギターとしてもクオリティが上がったなと。
もちろん、当たり外れはありますが、良い固体に出会える機会が増えた気もしています。
マスターグレードシリーズや、初期カスタムショップ製は人気がありますが、僕はは2000~2009年頃のものをおすすめしたいですね^^
2009年(それかもう少し後)頃に塗装が変わるのでその前ぐらい
まとめ!ヴィンテージじゃなくてもいいんじゃない…?
ここからはちょっとボヤキです…
”現行品のフェンダーは駄目だ””ヴィンテージにはかなわない”
なんていわれたこともありますが、確かにヴィンテージと音は…違います。
でも、「駄目」なんてことは、ないんじゃないかな~と思っています^^;
無論、僕もヴィンテージギターは好きです。
ですから、結局のところ、自分が好きな音ならそれで良いだろうと
それとストラトって…これ!という1本に出会うのが、結構難しいギターじゃないでしょうか。
以上のことも含め、ストラトの魅力なのかな?と思っています^^
コメント
また失礼します。
「これ!という1本」に出会えて良かったですね。
はやりストラトは奥が深いギターだと思います。
カメラでは「レンズ沼」と言う言い方をしますが、
「ピックアップ沼」にはまりそうで、ストラトには手をだせません。
年数を経るごとに、さらに良い音になっていくのでしょう、楽しみですね!
僕は数年前にRS guitarworksのテレキャスを手にして「これ!という1本」に出会えました^^
yoshiさん
コメントありがとうございます^^
ですね、僕もこのギターと出会うまで、
数本のストラトを手放しました(苦笑)本当に奥が深いです^^;
「ピックアップ沼」
確かに存在しますね(笑)
僕はだいぶんはまった口です^^;
「これ!という1本」おめでとうございます!
そしてRS guitarworks!知ってます^^
僕もあそこのギターは好きな感じでした♪
こんにちは。
突然すみません。
ブログにYOUTUBEに、いつも楽しく拝見させて頂いてます。私もFenderCS製の64’ストラトを所有しているのですが、元からスムーステーパーが入っていたり(自分で開けられないので音の様子から、予想ですが…)、リヤでトーンが効くようになっていたりと今時の仕様になっているようです。Fuzz沼にハマり、FuzzFace系、ToneBender系と買い漁っているのですが、ボリュームを絞ったときの挙動がどうも違うな…と感じています。やはり、当時の「あの音」を求めると、クラシックなサーキットのほうが相性は良いのでしょうか?ご意見をお聞かせ頂けますと幸いです!
ご覧いただきありがとうございます!返信が遅くなり申し訳ありません!ボリュームを絞った時の挙動に関してはスムーステーパーは外した方が良いかと(入っているなら)!僕も以前はスムーステーパーを入れてましたが手元を絞った時の音がカリカリする等々の理由で現在は外しています!