ファズフェイスモデルをはじめ、
ネオヴィンテージエフェクターを製作する
「Organic Sounds」さんから、
レビュー用サンプル機をお借りしました^^
Thanks!:Organic Sounds
「Organic Sounds」さんは、
もともとアンプビルダーですが、
エフェクターは今回紹介する4機種を製作されています。
お借りした4機種は、
「Orga Face(Fuzz Face系)」という、
ゲルマ・シリコントランジスタの2機種と、
「Octanic(Octavia系)」、
「Orga Wah(V846系)」です。
ルックスもさることながら、
内部パーツも選定、徹底的に拘って作られています。
どのモデルもLEDなしですが、
これは音を考慮して付けていないそうです。
(ワウはDCジャックあり)
操作性はオリジナル同様、
非常にシンプルなものなので、
音決めに困るということは一切ありませんでした。
比較用ペダルについて
今回レビューにあたり、
比較用にサンプルペダルを用意しました。
「Orga Face」には、
ゲルマに「Jim Dunlop JD-F2」、
シリコンに「Jim Dunlop FFM3」を。
「Octanic」には「MXR JHM2」、
「Orga Wah」には「70’s Thomas Organ Crybaby」を。
レビューにおいて、
少しでもイメージが沸きやすければ幸いです^^
どのモデルもブランドカラー、音がある
まずはじめに、
各モデルに共通した音の特徴があります。
それは…
オリジナル(ヴィンテージ)を踏襲しつつ、
適度な中高域とバイト感、音圧がある
ということです。
これはブランドとしての、
サウンドカラーかはわかりませんが、
どのモデルにも感じることができました。
ゲルマモデルと「Jim Dunlop JD-F2」を比較!
「Jim Dunlop JD-F2」と比べ、
明らかに中高域の出方が太く、ジューシー、
ゲルマにしては抜けの良い音でした。
ピッキングした時に、
音が沈むようでバーンと前に出る…
なかなか他にはない独特な感じでした。
なので個人的には、
このサウンドキャラクターを活かし、
ゲインブースターとして使ってみたいと感じました^^
またボリュームを絞っていくと、
歪み成分は若干残ります。
これが何というか…
クリーンとクランチの境界線、
自然な減衰音でブチブチしない、
限りなくクリーンに近い音になります。
ちなみに前段にバッファーをかますことで、
手元でファズ~クランチ~クリーンと、
滑らかなゲイン移行も可能です。
僕は「EMD Buffer/Booster」を繋いでみましたが、
変に干渉することもなかったので、
先日レビューした、
「Mini-Vibe」など繋ぐとすごく良さそうですね^^
シリコンモデルと「Jim Dunlop FFM3」を比較!
「Jim Dunlop FFM3」と比べると、
太く、シリコンらしくない柔らかさを感じました。
さらにザラツキ感があり、
非常に攻撃的で圧倒的な空気感と音圧感。
特に…フルゲイン時の迫力がすごくて…
弾いていて、かなりテンションが上がりました^^
またシリコンモデルはゲルマモデルに比べ、
ギターボリュームに対してのゲイン移行が滑らかです。
ストラトキャスターなら、
ボリュームを絞っていくことで、
綺麗な鈴なり感を残しつつ、歪みが下がっていきます。
最終的にクリーンになるので、
いわゆる…ジミヘン的な使い方であれば、
このシリコンモデルのチョイスをおすすめします。
あとボリュームを絞った時も、
中高域が残るため、トランジスタアンプでも、
カリカリした音になりにくかったのは良かったですね^^
ちなみにシリコンモデルですが、
ヴィンテージファズフェイスを知る方に、
ガチで弾いてもらいましたが、かなり好評、
既存モデルの中でもトップクラスの音がするとのことでした^^
「Octanic」と「MXR JHM2」を比較!
「MXR JHM2」と明らかに違うのは、
抜けの良さとオクターブ音のミックス加減です。
あくまで僕の感覚ですが、
ファズ:オクターブ=6:4
12Fあたりから混じるオクターブ音も、
しっかり実音が鳴る印象だったんですね。
それと「MXR JHM2」は単体使用よりも、
他の歪みペダルと絡めての使用が良さげでしたが、
この「Octanic」は他ペダルとの併用はもちろん、
十分に歪むので単体での使用も可能です。
そして、ある程度太さもあるので、
か細くなることもなく、ソロでも十分に使えます。
もちろん、同ブランドの
「Orga Face」との相性は良かったです^^
あと驚くほどにノイズは少ないですね。
そしてボリュームを絞ると…
暴れる金切り音…リングモジュレーター的な音も出せます。
この音は空間系や残響系と絡めて使いたくなりました^^
「Orga Wah」と「70’s Thomas Organ Crybaby」を比較!
まずこの「Orga Wah」、
嬉しいことに超軽量、1kgもない筐体です。
音は驚くほどにヴィンテージっぽい…
例えば、現行品のワウだと、
ブラッシングした時に高域が出て、
どうしても平坦な音になりがちなのですが、
この「Orga Wah」はそうじゃないんですよ^^;
フィルターレンジは違いますが、
手持ちの「Thomas Organ Crybaby」に通ずる、
ヴィンテージニュアンスを感じたのは驚きでした。
…で、ちょっと音を録ってみたのですが、
※Guitar:Stratcaster、Amp:Fender Blues Jr.
いかがでしょうか?
僕はゲロゲロっとした音に、
「VOX」のヴィンテージワウっぽさを感じました。
ちなみにこの「Orga Wah」、
他にもバージョンがあるそうですが、
今回のモデルはあえて、中域にピークを持たせたものだとか。
はじめて弾いた時、
高域に物足りなさを感じましたが、
これが歪ませると…うねり感が協調され、
派手でカッコいいワウサウンドが得られます。
この手だと「BUDDA」ワウのような、
モダン寄りの音になりそうなものですが、
ヴィンテージらしさがきちんと残るのは不思議でしたね…
あと踏みしろは浅め、
使えないポイントは少ないため、
使いやすいワウだな…という印象でした^^
ちなみに先日レビューした「Grey Fox」よりも、
ヴィンテージサウンドを感じましたね。
まとめ
僕の好みにマッチしている…
というのもあるかもしれませんが、
どのモデルも弾いていて、すごく気持ち良かったです^^
「ネオヴィンテージ」
どのモデルもそういって過言ではない、
そして…日本人が作ったペダルっぽくないなと。
これは「Organic Sounds」さんが、
オリジナル(ヴィンテージ)を研究しているそうなので、
その結果、出音に見事反映しているのでしょうね^^
本物を知り作る…
これはビルダーさんにとっても、
すごく良いお手本になるペダルじゃないでしょうか。
あと、この手のヴィンテージモデルで、
アタリの個体を探している人にも、是非おすすめしたいですね^^
難点としては個人ビルダーさんで、
レアパーツを選定して作られているので、
生産台数は少ないことでしょうか…
ちなみに僕は…2機種ほど買い取りました(笑)
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