プロのボードでも見かける、
US(ケンタッキー)メイドのオーバードライブペダルです。
レビューでは友人の協力もあり、生産時期別、シリアル別に3台。そしてレアなMK1、MK1リイシュー、さらにはBlack Outと呼ばれるモデルまでレビューします!
ペダルレビュー
何と言っても見た目が良いです^^
淡いグリーンカラーと白いツマミ、
LEDの配置など…センスを感じずにはいられません。
塗装の質感も良いですし、
これは…所有欲をかられました(笑)
コントロールは「Level(音量)」「Gain(歪み量)」、
「Bass(低域調整)」「Treble(高域調整)」の4つ、
ボイシング切り替えのミニスイッチです。
ミニスイッチは上で「オーバードライブ」、
下で「クリーンブースト」モードのような感じで、
サウンドが切り替わります。
「Bass」「Treble」は15dBのブーストカットが可能、
そして「Gain」はちょっと面白い仕様です。
メーカー説明によると、
2連のポテンシオメーターを採用し、オーバードライブサウンドとクリーンブーストサウンドをブレンドする回路
これはあの「Centaur」にも見られる仕様とのこと。
感じとしては、ゼロに近い位置だとクリーンサウンド、
上げていくとクリーンに歪みをブレンドしていくというわけです。
確かに歪ませていっても、
どこかクリーンサウンドがなっている、
原音が鳴っている印象がありました。
各ツマミの効きはすごくわかりやすく、各モード共にサウンドキャラクターもハッキリしていますね!
サウンドレビュー
僕がこのペダルを購入する!と決めた時ですが、
ギターはストラト、リビエラ、アンプはJC-120で試しました。
僕的にリビエラにハマるオーバードライブを探していた時で、
弾いた瞬間「コレだ!」と思い、購入しました。
…で、この「Sick As Overdrive」、
オーバードライブペダルなんですが、
クリーンブースターとしても使用できるペダルです。
モードによってゲインレンジは異なりますが、
ドライブモードならリードプレイに十分なドライブサウンドが得られます。
ナチュラルなドライブサウンドなんですが、
きちんとエッジ感、ハリ・艶感もあるんですよね。
ちなみにケンタウルス系と比較されることもあるみたいですが、実際に弾いてみるとケンタウルスに似ている部分もありつつも、幅の広いサウンドが作れるナチュラルなオーバードライブサウンドペダルでした^^
オーバードライブモードについて
ミニスイッチを上にした状態が、
オーバードライブモードとして機能します。
ディストーション…までは歪みませんが、
「Bass」「Treble」を上げていくとかなり歪みます^^
基本的に適度なコンプ感のある、
オーバードライブサウンドペダルです。
加工感はゼロというわけではないのですが、
ギター、アンプのトーンを活かしたまま歪んでくれる感じですね。
個人的にはTS系よりレンジは広く、
ケンタウルス系ペダルより、断然好きな感じでした(笑)
あとEQのセッティング次第で、
エッジのあるサウンド〜低域にパンチの効いたサウンドまで作れます^^
ちなみに「Treble」「Bass」は、
12時の位置をスタートに調整していく感じでオッケーだと思います。
クリーンブースターモードについて
こちらのモードはコンプ感とゲインは抑え目に、
いわゆる…ノンクリッピングのような感じでした。
アウトプットレベルも高いので、
確かにクリーンブースターとして十分に使えます。
オーバードライブオードよりも、
明らかにオープンなサウンドが特徴的です。
よって…ピッキングニュアンス、
ギターボリュームへの追従性も上がりますし、
ボリュームを絞っていった時も音がこもりにくくなります。
全体的にハリ・ツヤ感も増しますので、
このモードはアンプライクっぽい感じで、
個人的にはこちらのモードが結構好みでした^^
両モードとも出音がハッキリと違うので、用途に応じての使い分けがしやすいんじゃないかな?と思います。
JC-120でも良い感じに鳴らすことができた
スタジオ、ライブハウスでよく見かける、
JC-120との相性も僕的にはすごく気になるところ。
実際にスタジオで
音に密度感があり、ハイミッドの粘りがあるためか、
「Sick As Overdrive」はJC-120でも良い感じで鳴らせる印象でした^^
シリアル600番代の「Sick AS Overdrive Mk2」と比較!
僕のものよりシリアルが300番台ぐらい若い、
「Sick As」とも比較してみました。
音に関して言うと、
僕のものよりTSっぽいコンプ感があって、
柔らかい歪み方をするんです。
面白いのがパーツ的に違う点としては、
コンデンサのみなのに音は全然違うんですよね。
詳しくは検証記事で書いていますが、
コンデンサによる音質変化を探るきっかけになった、
貴重なサンプルになりました^^
…で、僕の勝手な見解としては、
「MK1.5」的なモデルなのかな?と考えています。
(実際、名前は「MK2」です)
シリアル1100番代の「Sick AS Overdrive Mk2」と比較!
これは上で紹介した、
最新バージョンの一つ前のモデルで、
このバージョンから筐体ケースが少し小振りに、
EQの配置、ジャックの位置が変わったようです。
内部を見ても、
このモデルから基板レイアウトと、
コンデンサーが「WIMA」に変更されています。
出音の印象としては、
最新バージョンよりもやや中域が出る印象。
これはこのバージョンが、
バッファード仕様ではないためかもですね。
ただ基本的に僕の所有するバージョンより、
最新バージョン寄りなサウンドかと。
このバージョンを弾いたことで、
あらためてコンデンサーのキャラクターが、
色濃く出ていると実感しました^^
シリアル1800番台の「Sick As Overdrive MK2」と比較!
2016年7月時点での現行バージョンとも比較してみました^^
ジャックやモード切り替えスイッチの位置、
さらにはコントロールの配列も変わっています。
そしてこれまた…
僕の持っているものとは音が違いました^^;
ちなみにサウンドチェック時は、
ボリューム以外は12時で試した感想です。
比較すると基本的に、
歪みの質感は似ているものの、
よりダイレクト感が増しています。
あと出音もフラット、低域はややタイト、
サラッとした音質になり、コンプ感を伴いつつも、
まとまりのある音になった印象でした。
これはこのバージョンから、
バッファードになったことも大きな要因かもしれません。
なので、電源がないと音が出ませんし、
バイパス時もバッファーが絡んでいるためか、
ややスッキリした音に感じましたね。
ちなみに僕のバージョンに比べ、
中高域の出方が大人しいためか、
太さにはやや物足りなさを感じたので、
どちらかというとバッキング用に適していると感じました。
しかし、相変わらずEQの効きが良いので、
調整次第で何とかなりそうでしたね。
僕的には自分の固体が好きですが、
現行バージョンでも十分に使えるクオリティであると確認できました^^
「Sick AS Mk1 Reissue Finish」と比較!
購入当初は知らなかったのですが、
「Sick As」には色々なバージョンがあることがわかりました。
その一つがコレです。
見た目、僕は結構好きです。
この呼び方で合っているか不明ですが、
海外サイトを見ると、この名前で販売されていました。
…で、名前の通りこちらは、
初期型のものを復刻したものみたいですが、
中身は「Mk2」以降のものと思われます。
僕の所有するものと比較してみましたが、
低域の押し出し感が強めでハリがあり、
歪み方もやや粗めに感じました。
僕の「Mk2」のほうがあっさりと、
フラットな出音にも感じましたね。
ただ、質感は大きく変わるものでなく、
ピッキング、ボリュームのレスポンスも良好、
「Sick As」だなぁという印象は変わりませんでした。
レア!オリジナル「Sick AS Mk1」と「MK2」を比較!
運よくオリジナル「Sick As Overdrive MK1」もゲットできましたので、「Mk2」と比較してみました。
基板も全く違いますし、サウンドも「MK2」と比べ、
より原音にナチュラルである感じました。
歪みの質感もダイレクト感とハリ感が強く、
「Gain」を上げていくと粗く飽和感が加わっていく、
この感じは「KLON CENTAUR」に近しいとも感じました。
なので、この先ほどのリイシュー版は、
このニュアンスを再現しているのでは?と^^
あと「MK1」の「Treble」「Bass」、
「MK2」よりはかなり滑らかでブーストカットの効きも違います。
特に「Treble」は大体3時ぐらいまで上げて、
「MK2」と同じぐらいかなという印象でしたね。
単体としても使えますが、
ブースターとして使うことで、
最大限にポテンシャルを発揮できるかなと。
特にクリーンブーストサウンドは、僕の中では「CENTAUR」よりも好きでした^^
とにかく「Sick AS Overdrive」は亜種が多い
「Sick As」ですが、
他にも黒や金、赤などのカラーバリエーションもあると。
ちなみに黒は、
「Blackout」と呼ばれるモデルもあります。
発売されたのは2015年頃、
同じく2モード仕様なのですが、
こちらは「ケンタウルス系」「RAT系」とのこと。
…で、この「Black Out」、
「MK2」のどのバージョンとも音が違いました^^;
ちょっと触った感じでは、
「MK2」と同じ音は出せない…全く別物に感じましたね。
それと弾いた感じでは各モードともに、
「ケンタウルス」「RAT」の音がするわけでないなと。
形容するのが難しいですが…
両モード共に共通していえることが、
ゴリッと中低域にフォーカスされた、
ロックなサウンドだな、という印象でした。
これはこれでアリなカッコよいサウンドですが、
一つだけ気になった点ありまして…
それはギターボリュームを絞った時、
「MK2」に比べ、こもりがちになるということ^^;
「Treble」を上げれば解消できるかも、
と試みましたが無理でしたね、、
ただ「MK2」を弾いて、サラッとした音で物足りない…もっとガツンとした音がほしい…そんな人にはハマるモデルだと感じました^^
まとめ
生産時期によって音が違うと書きましたが、
「MK2」についてシリアル別にまとめると、
シリアル「600番代」
TS寄りの柔らかくもコンプ感のある音
シリアル「900番代(所有モデル)」
TSっぽさはなくハイミッドに粘りがある音
シリアル「1100番代(上部ジャック・ノンバッファード)」
僕の個体よりやや中域が抑えられ分離感のあるモダンな音
シリアル「1800番代(上部ジャック・バッファード)」
出音はよりフラットに分離感のあるモダンな音
「Black Out」
「MK2」よりも厚みのあるモダンでロックな音
こんな感じでしたね^^
お持ちのモデルのシリアル、
基板などから他のバージョンの音を、
イメージし比較してもらえると面白いかもです^^
管理人が好きなシリアルの「Sick As Overdrive」は…
…で、僕的には自身の個体、
シリアル900番代のものが幸いにも好きでした( ̄▽ ̄)
とにかく、見た目はもちろん、
弾いていて楽しくなる…そんなペダルです。
あえて、どのバージョンも難点を挙げるとすると…
電池を内蔵できないことでしょうか^^;
しかしこれは…
今まで弾いた中でトップ3に入る、
オーバードライブペダルかもしれませんね。
アンプも選ばない、ナチュラルで色気ある、
ドライブサウンドが欲しい方にはオススメです^^
コメント
大変興味深く拝見させていただきました、素晴らしいレポートありがとうございます。
一つ疑問に感じたのですが、所有されている900番台のものの写真が混在していないでしょうか。
スイッチの形状が異なっているようで、どちらが900番代なのかなと疑問に思いまして…。
ご指摘ありがとうございます!わかりにくそうな箇所は修正してみましたがいかがでしょうか??フィードバックいただけますと嬉しいです(^^)/