↑RETICON_1980
commentary
RETICON社のBBD.
70〜80年代のアナログ空間系エフェクターのBBDは、松下のMN30xxシリーズでなければ、RETICONのSADシリーズが高い確率で搭載されている.(そもそも選択肢がなかった)
SADは”Sampled Analog Delay”の略.
BBD = Bucket Brigade Device.
RETICON社は1982年にBBDの製造を終了.
全くの推測ですが、実はElectro-Harmonix社の84年の倒産の本当のトリガーはRETICONのBBDのディスコンなのではないかと考えています.
Deluxe Electric Mistress、Electric Mistress、Clone Theory、Polly Flangeなど、松下製のMN30xxシリーズよりも、SADシリーズを使用したモデルの方が多いです.
RETICON製のBBDがディスコン
↓
松下製のBBDに置き換え(この時点で一択)
↓
松下製のBBDが供給不足
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Electro Harmonix 倒産
の流れが自然な気がします.松下製のBBDが供給され難くなったのも、RETICONのディスコンにより、各社こぞって置き換えに走ったからではないかと考えています.
トリガーはRETICON、トドメは松下、ではないかと.
シリーズのスペックを以下にまとめます.
spec
【SAD512】
段数:512
信号遅延時間:170[ms](max)
S/N比:70[dB](typ)
クロック周波数:1.5[kHz](min)
【SAD1024】
段数 :512×2
信号遅延時間:340[ms](max)
S/N比:70[dB](typ)
クロック周波数:1.5[kHz](min)
【SAD4096】
段数 :4096
信号遅延時間:250[ms](max)
S/N比:70[dB](typ)
クロック周波数:8[kHz](min)