アンプのトレモロサウンドを再現したトレモロエフェクターの名機、Demeter Tremulator TRM-1をレビューします。
トレモロは音の強さ(ボリューム)を一定のリズムで変化させる効果を与えるエフェクトで、フェンダーアンプを愛用している人には馴染みのあるサウンドでしょう。
Demeter Tremulatorは、ライ・クーダーの要望から開発され作られたコンパクトサイズのトレモロエフェクターです。
ライ・クーダーが設計者のジェイムズ・ディメーターに相談したのは、『ライが愛用していたFenderチューブアンプのトレモロの音質やトーンを、どこにでも持っていけるコンパクトなペダルサイズに完璧に再現する』ことでした。
引用元:Blog – BUZZ
所長が所有するTremulatorはプロトタイプと聞いており、縁があり手に入れることができました。
このプロトタイプは、ライ・クーダー氏やマイケル・ランドウ氏に送られた個体と同じ物だと聞いています。
Demeter Tremulatorは多くのミュージシャンによって愛用され、幅広い音楽ジャンルで使用されています。
- Ry Cooder
- Eddie Van Halen of Van Halen
- Eric Clapton
- David Gilmour
- Sonny Landreth
- Ben Harper
- Tommy Emmanuel
- Oz Noy
- Michael Landau
所長としてもナチュラルなトレモロサウンドが欲しいと聞かれた時は、Demeter Tremulatorをおすすめするぐらい気に入っているペダルです。
今回は初期型2台と現行品を借りる機会がありましたので、サウンドを紹介しつつレビューしていきます。
シンプルでありながら数十年にわたり製造されているトレモロエフェクター
Demeter Tremulatorは、Demeter Amplificationで数十年以上にわたって製造されているトレモロエフェクターです。
Demeter Amplificationは、1970年代からエフェクターやアンプの製造をおこなっており、歴史のあるブランドでもあります。
所長も以前、Demeterのアンプを所有していたことがあります。
取り回しもよく重宝していました。
Demeter Tremulatorは、DepthとSpeedのツマミが2つとシンプルなエフェクターです。
トレモロの速度(Speed)と深度(Depth)で、エフェクトの効きを調整します。
- Speedのツマミ:トレモロのリズムや振動の速さを変えることが可能
- Depthのツマミ:トレモロの強さや効果の程度を調整が可能
ただしトレモロサウンドだけではなく、両ツマミをゼロにすることでブースターとしても使用できます。
ちなみに今回弾き比べした初期型のTremulatorですが、プロトタイプのあとはもう少し筐体が大きめの物が存在します。
弾かれた人の話では、サウンドは所長が所有しているプロトタイプに近いと聞いています。
その後、巷で初期型といわれる赤いツマミの個体に移行していくと考えられます。
筐体、ツマミ、スイッチといった見た目も含め、マイナーチェンジを繰り返しながら、現在も製造されているペダルでしょうね。
現行品は外部電源も一般的なプラグで電源供給できますが、古いものはミニプラグ仕様です。
ミニプラグは変換プラグが必要となるため、煩わしさは現行品のほうがないですね。
筐体サイドに空いている穴はトリマーにアクセスでき、BIAS調整でトレモロの波形も変えられます。
見た目よりも、音作りが追い込める仕様となっているのも特徴です。
では、サウンドはどうなのか、所長の環境でチェックした音も交えながら紹介していきます。
自然で滑らかなアンプ内蔵のトレモロサウンドが得られるエフェクター
Demeter Tremulatorはやはり何といっても、設計意図にあるように自然で滑らかなアンプに内蔵しているトレモロサウンドが得られます。
所長が愛用しているFender 63Vibroverbもトレモロが搭載されていますが、Tremulatorのほうが自然にも感じられるほどです。
自然なトレモロサウンドは、動作を制御するためにフォトカプラ(光)を使用していることが大きな要因といわれています。
トレモロのリズム変化や音量の変動は、音楽的であり不自然な感じがありません。
では、今回お借りした3台と手持ちのプロトタイプを比較した動画をご覧ください。
プロトタイプや初期型はエフェクトのかかり方が弱い分、自然なかかり方に感じますね。
時期によるものか、パーツの経年劣化か、ほぼ同時期の初期型でも音が違います。
現行品はトレモロサウンドもエフェクティブに鳴らせますし、ブースターとして使用した時も元気なサウンドでした。
どの時期の物が良いのか、初期型だから最高とかではなく、求めているサウンドで分かれるでしょうね。
例えば、歪みエフェクターと組み合わせて鳴らすのであれば、現行品が好きでした。
所長は今回弾いた中で自分の個体を除けば、サウンドは初期型黒ノブが好きでしたし、実際に普段使いするのであれば現行品が使いやすいと感じました。
長年作られ続けている理由がわかるトレモロエフェクター
Demeter Tremulator、おそらく1990年代から作られ続けられているトレモロエフェクターですが、現行品でさえ質の高いエフェクトサウンドが得られます。
さらにトレモロサウンドだけでなく、バッファーブースターとして活用できるなど、一台で二役をこなすあたりも素晴らしいです。
所長もトレモロエフェクターを探している時にTremulatorを知り、探し求めていたサウンドに巡り会えたと感じました。
国内で見ると、トレモロエフェクターの種類が少ない中で是非一度、手にとってみてほしいペダルです。
ちなみにDemeter Tremulator Plusといった、さらに音作りが追い込めるモデルも販売されています。
Demeter Tremulator Plusも機会があれば、触ってみたいです。
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