「GOAT Blue Series GENERATOR」は「Rockman Distortion Generator」をコンパクトサイズで再現!といったTC楽器さんのプロジェクトエフェクターです。
「Rockman」と言えば、BOSTONのトム・ショルツ氏が開発していたブランドであり、またロックマンといえば、松本孝弘氏や葛城哲哉氏の使用でご存じの方も多いはず。
…が、僕は「Rockman Distortion Generator」を弾いたことがありませんでした。
そこで今回、「GOAT GENERATOR」をレビューするにあたり、開発時にサンプルとなった「Rockman Distortion Generator」をTC楽器さんからお借りしました。
サンプルにしたオリジナル個体を弾かせていただけるなんて…TC楽器の佐野さん、ありがとうございます!
ではオリジナルとの比較を交えながらレビューしていきます。
ペダルレビュー
オリジナル「Rockman Distortion Generator」と「GOAT GENERATOR」を見比べてみますと、
各ツマミは「Distortion Generator」を踏襲した仕様となっており、スライダーではなくツマミになっていることで操作性は向上しています。
「Distortion Generator」同様、各々の帯域のブーストカットが可能、「GOAT GENERATOR」ではパッと見てフラットな位置がわかりやすいように表記方法も工夫されています。
この各帯域のツマミですが「MID.BOOST」以外は過激に効くタイプではないです。
各ツマミ(イコライザー)は中音域、低音をブーストカットする仕様ですが、スタートセッティングは12時から始めてもよいかと。
ぼくは「MID.BOOST」のみ、カットした状態からセッティングで調整していくと、好みのセッティングを見つけやすかったです
「GOAT GENERATOR」の特徴的な仕様として挙げられるのが「Distortion Generator」から踏襲されている
- CLEAN
- PHASE
と書かれたスイッチ。
そしてゲインを設定する「DISTORTION HARMONICS」のセクションです。
ギターボリュームを絞った時でも高域が残るクリーンサウンドを鳴らせるといったもの。
確かにこの機能をONにすることで手元を絞った時でも原音感を感じさせつつゲインを下げることはできました。
個人的に好みのサウンドを鳴らす上で、この機能は重要でした。
キャビネットシミュレーターとして機能するといったもの。
OFFの状態でも「12インチ×1発」のキャビネットシミュレーターが効いている状態とのことですが、「Phase」をONにすることで「12インチ×4発」のキャビネットをシミュレートした音に変化させるといったもの。たしかにその雰囲気は感じられました。
位相を反転させるもの?と考えていましたが、位相反転はしませんでした。
ゲイン量は「HEAVY」「MEDIUM」「LOW」の3段階と「SUSTAIN」で4段階、調整できます。
触れば単純にゲインが増えますのでわかりやすいかと。最もゲインが高い状態(HEAVY&SUSTAINを右回しいっぱい)ですと、かなり歪みます。
また「Distortion Generator」はエフェクト、ブースター(LEAD BOOST)のON/OFF等は外部フットスイッチなどで操作が必要ですが、
「GOAT GENERATOR」はフットスイッチで切り替え可能、トゥルーバイパス仕様です。
「Rockman Distortion Generator」はエフェクトOFF時でもトゥルーバイパスではありません
ボードに繋ぎ、エフェクトをON/OFFする人であれば、この仕様のほうが使い勝手が良いでしょうね。
ちなみに「TREB.BOOST」のツマミはLEADのフットスイッチがOFFでも効き、エッジのある高域を付加するようなイメージで使えます。
そしてLEADのフットスイッチを踏めば、グッと音量が上がりますので、ソロでガツンと鳴らせます。
電源部分は「Distortion Generator」は本体から電源ケーブルが生えていますが、「GOAT GENERATOR」は電池、もしくは9Vセンターマイナスのアダプターで駆動します。
お借りした「Distortion Generator」は117V仕様。100Vではなく、ステップアップトランスを使用し117Vで鳴らすほうが音は張り出し、スピード感もあって良かったですね
ちなみに「GOAT GENERATOR」も500mA以上のアダプターで鳴らすことを推奨されています。
サウンドレビュー
まずディストーションペダルとして、予想通りといいますか中域に癖のあるサウンド。
「鼻詰まり感のある」と言われているのも納得のサウンドでゲインも相当に稼げるため、ジャズコ(僕はJC-40で試しました)でもハイゲインディストーションサウンドが作れます。
歪みのキャラクターは確立されているペダルですが、各ツマミ等でバッキングからソロまで活躍できる音作りをカバーできます。
オリジナル「Rockman Distortion Generator」と比較してみた
「GOAT GENERATOR」は「Rockman Distortion Generator」と比較してどうか?気になる人も多いのではないでしょうか。
今回、お借りしたオリジナル「Rockman Distortion Generator」と「GOAT GENERATOR」で同じセッティングでチェックしてみました。
アンプは真空管アンプ(Fender Vibroverb)とトランジスタンプ(Roland JC-40)で鳴らしてみました。
同じか?と言われますと、僕が比較した環境ではツマミを色々触りましたが「違う」と感じました。
相違点を挙げますと「GOAT GENERATOR」のほうが、
- 最小、最大ゲイン共に高い
- ゲインを下げた時に低域が強調される
- 中域の癖が強調されている
あとゲインを最大まで上げた時、僕の環境ではノイズは多く感じました(ゲインが高いのもありますが)。
僕が試した印象ではジャズコなど歪まないアンプのほうが、オリジナルとの差は感じにくかったです
…とはいえ、オリジナルも個体差があるとのことですし、当然、どういったサウンドを狙うのか?鳴らし方をするか?ですよね。
例えば、既に動画をアップされている方の動画を見ても、僕が感じたほど違いを感じなかった音源もありました。
「Rockman Distortion Generator」をお持ちの方の感想を見ていても満足できる、代用品として使えるという話も目にしますので一度、触ってみられると良いかと(^^)
ディストーションペダルとして使うなら
単純にディストーションペダルとして使うなら、アンプがクリーン(ジャズコ等)でも独特で太いディストーションサウンドが得られますし、モダンなディストーションサウンドも作れます。
僕も手持ちのギター、アンプでチェックしてみました。
で、好みでいえば、SGジュニア&Fender 64 Vibroverbで鳴らした時でした。
この状態からブーストチャンネルもONにすることで、グッと音も前に出てきますし、サスティーンやフィードバックも得られやすくなります。
アンプの音量を上げるならもう少し2kHzをカットするか、ゲインを下げて使うかも。
SGジュニアはピックアップがP-90、パワーとキレ味のあるサウンドと相まってか、僕的にはハマりました^^
あと組み合わせるアンプもジャズコのような歪まないアンプ(もしくはクランチ程度に歪むアンプ)で鳴らすのが好みでした。
ちなみに僕の中では「MID.BOOST」「CLEAN」「TREB.BOOST」のセッティングがキモでした。
中域の癖が苦手という方は「MID.BOOST」を下げ、「CLEAN」をON、「TREB.BOOST」を上げるなど調整することで、使える幅がグッと広がります。
まとめ
かなり癖、キャラの立ったディストーションなので、好き嫌いは分かれるかもしれません。
キャラ的には「BOSS DS-2」も浮かびましたが、ディストーションらしさを感じるのは「GOAT GENERATOR」でしたね。
僕が愛用している「BOSS DS-2」は日本製でファジーな歪み、質感があるから…かもしれません
オケで馴染むのようなディストーションサウンドも作れますので、歌モノのバックで使ってみたいと感じました。
もし店頭(TC楽器さんにはデモ機があるそうです)で試せる人であれば、普段使っているギターなど機材を持参して弾いてみたら…
僕がSGジュニアと64 Vibroverbの組み合わせでハマったように…手放せない一台になるかもしれません( ̄▽ ̄)
ちなみに「Rockman」については詳しい方々がいらっしゃいます。僕がレビューするのがおこがましいくらい…(笑)
「GOAT GENERATOR」についてはTwitterでもお世話になっているGuitarstuffさんもブログで書かれています。
音についてはもちろん、細かな仕様なども解説されているので併せてどうぞ^^
「Rockman」の製品マニュアルをダウンロードできるサイトもあります。こちらも併せてご覧いただくとよいかもです!
コメント
こんにちは
BOSTONとDef_Leppardをこよなく愛する還暦アマチュアギター弾きです。
高校時代のBOSSコンパクトに始まり、BOSSマルチを代々使ってAMPERO_ONEに辿り着き「もうこれで十分満足」と思っていたのに、Youtubeで本製品を見かけ、結局AMPERO売ってシリーズ三部作を揃えてしまいました。
記事にある通りアンプはソリッドの方がソレらしい音がしますし、ミキサーにダイレクトに入れてヘッドフォンで聴いた方がより近い音がします。
Youtubeで再生したBOSTONを一緒にミキサーに入れてコピーしていると、音が似すぎて自分の演奏が聴き取りにくいくらいです。
AMPERO_ONEの方が全然良い音でコスパも遥かに上ですが、バイクや車の旧車と同じで代え難いものがあるのも事実。
大変満足しています。