以前にレビューしたレスポールのピックアップを交換したので、備忘録的に書き留めておきます。
ピックアップ交換のベースとなったレスポールは1997年製、ギブソンレスポールクラッシック。
オリジナルピックアップは496Rと500Tといった、マグネットがセラミックのパワーの強いピックアップを搭載。
ただ僕の好みとして、できるだけローパワーでヴィンテージライクなサウンドになれば…と思い、ピックアップを交換、その時に試したピックアップについて記事にしてみました!
そもそも何でピックアップを交換しようと思ったのか…
僕の場合、1968年製「Epiphone Riviera」から持ち替えた時、違和感を減らしたかったから。
後ほど説明しますが、このリヴィエラには「Vintage Dimarzio PAF」が乗っていました。
セミアコとレスポール、ギター的にも違いはありますが、このリヴィエラはフロントでも太すぎない、カッティングにも使える音が鳴りまして。
レスポールでも同様にフロントが使えるようにしたかった、そしてリアはリードプレイで映えるような音にしたかった思惑がありました。
70年代レスポールを弾いた影響もあった
「フロントでも太すぎない、カッティングにも使える音」といった考えは、友人が所有する72年製のレスポール、さらには71年製のレスポールカスタムを弾いたことも大きかったです。
個体差もあると思いますが、この2本のギターに共通したのが、フロントでも歯切れの良いサウンドが出せたことでした。
1970年代と1990年代のギターでギター本体(木や作り)が違うことも影響していることはわかっていましたが…何とか近づけることはできないか?といった考えもありました。
過去に弾いたハムバッカーピックアップ遍歴
ストラトほどではありませんが、レスポールもいくつかピックアップは試した経験があります。
レスポールでいえば、過去に「Greco」のレスポールを所有していたことがあり、その時に色々試しました。
僕が過去に試したハムバッカーピックアップ遍歴を紹介しておきます!
今まで試した「Gibson」のハムバッカーピックアップ
レスポールといえばギブソン、ギブソンサウンドが欲しければギブソンを選ぶべき、当然といえば当然ですが、やはりギブソンサウンドはピックアップにもありますよね。
- 496R
- 500T
- 57 Classic(カスタムショップ製SG、ヒストリックコレクションES-335 に搭載)
- 基盤ピックアップ(80年代SGに搭載)
- T-TOP(69〜70年製レスポールに搭載)
ギブソンピックアップの場合、リプレイスメントピックアップとして試した!というよりも、所有していたギターに搭載されていました。
個人的に好きだったのは「T-TOP」と呼ばれる60年代後半から70年代初頭のピックアップ。
ただ、価格が高騰していることや、バラ売りされているものを乗せた時、フロントとリアでバランスが取りにくかったこともあり、今回は候補から外しました。
僕の経験上のお話ですが、もし「T-TOP」を購入される場合、ネックとブリッジが元々セットの物を買われたほうが良いと感じています。
今まで試した「Seymour Duncan」のハムバッカーピックアップ
ESPで取り扱いもあり、目にすることも多いダンカンピックアップ。リプレイスメントピックアップとしての知名度も抜群でしょう。
価格帯も良心的、まずピックアップ交換されるのであれば第一候補に挙げてみてほしいメーカーです。
- SH-1(59)
- SH-2
- SH-4
- SH-5
- SH-AH1 Allan Holdsworth
- Antiquity
所有していた「Greco」のレスポールはフロントとリアに「SH-1」、あとはリアに「SH-4」といった王道な組み合わせが好きで乗せていました。
「SH-1」ですがヴィンテージサウンドか?と言われると、ちょっとつるんとした質感で少し違いますが、クランチサウンドと組み合わせた時のエッジの利いたサウンドは癖になる方もいるはず。
歌ものバンドでレスポールを弾いていた時に「SH-1」は愛用していましたが、オールマイティーに使えるサウンドでしたね!
「SH-4」は中域に癖のあるサウンドですが、太くサスティン豊かなサウンドが魅力でして、ゴリゴリなロックバンドに参加している時に乗せていました。
ちなみに「SH-4」といえば中域に癖のあるサウンドで嫌い!と言う方は、近年の「SH-4」は中域に寄りすぎていない音でしたよ!
王道過ぎるため、敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、高いリプレイスメントピックアップを買わずとも、十分に満足できる可能性もあります。
個人的に「SH-2」「SH-AH1」の組み合わせも好きです。
SH-2はSH-1よりもタイトで煌びやかな音がしますね。よりタイトなサウンドが欲しい方には良いでしょうね!
SH-AH1、手に入りにくいピックアップですが、パワーはあるものの、JBよりももっさりしない、こもらないなど、個人的にはバランスの良いピックアップでした!
今まで試した「Fender」のハムバッカーピックアップ
フェンダーといえばシングルコイルですがハムバッカーピックアップもあります。
古くはセスラバーが開発したワイドレンジハムバッカーもありますが、僕が試したのはスーパーソニックに乗っていたピックアップ「Atomic Humbucker」です。
難点として、ピックアップを固定するビスが3つ。一般的なレスポールには交換しにくかったです、、
今まで試した「DiMarzio」のハムバッカーピックアップ
ディマジオピックアップ、何気に好きなピックアップメーカー。
- Super Distortion
- DiMarzio PAF
「Dimarzio PAF」も70〜80年代の物が良い!と聞きますが、冒頭で紹介した「Epiphone Riviera 1968’s Mod」に乗っていたのが80年代の「Dimarzio PAF」。
僕の記憶にあるギターでいえば、80年代「TOKAI」レスポール(たしかジョー・ウォルシュモデル)に乗っていたのも「Dimarzio PAF」。
ハイパワーなピックアップの印象を持たれがちなディマジオですが、「Dimarzio PAF」はやや硬質でカリッとしたヴィンテージ系サウンド。
僕好みなフロントピックアップ側でもカッティングができるサウンド、リアも非力ではなく、クリーンも綺麗に鳴る、個人的にはかなり好きな音がするピックアップでした。
実はPAFのクローンモデルとして評価の高いピックアップで、愛用している方も多いとか。
お世話になっているリペアショップオーナーの話では、ヴィンテージPAF好きな方が選ぶリプレイスメントピックアップとも聞いています。
ちなみにヴィンテージディマジオPAFを復刻した「Dimazio PAF 36th Anniversary」といったモデルも販売されていますので、こちらを狙うのもありかもしれませんね。
僕もレスポールクラシックにこのピックアップを乗せようと考えましたが、「どうせなら違うものを!」と試してみたくなったことで…沼にハマりました(苦笑)
上記メーカー(ブランド)以外で試したハムバッカーピックアップ
ピックアップメーカーはもうたくさんありまして(笑)
他メーカーのハムバッカーピックアップも試したことがあるものを列挙しておきます。
- Tone Specific Bloombucker PAF Humbuckers
- WIZZ PICKUPS Premium PAF
- BILL LAWRENCE L500
この中で言えば、国内未入荷のピックアップが「Tone Specific」。
マルキオーネのギターにも乗っていますし、三木楽器さんオリジナルギターにも採用されている、海外で非常に人気の高いピックアップです。
良いピックアップですが高価であり、なかなか手に入れにくいのでおすすめしにくいです、、
見た目が許せれば、BILL LAWRENCE L500はピックアップに個性が強い、クセはありますが良いですね!
変な話、ギター本体がイマイチでもある程度のレベルまで持ち上げてくれるピックアップと感じています。
…と、いろいろ紹介しましたが、とにかくいろいろありすぎてわからなくなりますよね、、
ではこの記事を書いた当時、識者の方から教えていただいたおすすめハムバッカーピックアップを紹介していきます!
検証時、おすすめされ試したハムバッカーピックアップはコレ
何を試すか?レスポールに詳しい方々の情報から以下、3つにモデルに絞り込みました。
- Gibson 57 Classic
- Seymour Duncan Antiqueity
- Bare Knuckle Mule Pickups
この3種類のピックアップはオリジナルピックアップ(496R&500T)よりも好みでしたが、このレスポールクラシックで狙っていた音が得られたピックアップは「Bare Knuckle Mule Pickups」でした!
ではこれら3種類を試した感想を紹介していきます!
Gibson 57 Classic|ギブソンの提唱するPAFタイプハムバッカー
「Gibson 57 Classic」はマグネットにアルニコ2を採用、メーカー公表の直流抵抗値は7.5kΩ。ギブソンが1990年代、PAFをイメージして開発したピックアップとのこと。
1990年代であればヒスコレ、レギュラーシリーズにも搭載されていた有名なピックアップ。僕も過去に所有していた「SG」に搭載されていました。
今回、弾き比べた3種類の中では一番元気のある音でタイトでありながら、低域はしっかり出る印象でした。
今回試したのは2014年頃の物でしたが、1990年代の57クラシックは音が違うとのこと。
確かに以前に弾いた印象とは少し違う…90年代の物のほうが低域もそこまででなくて、レンジも変にピークがない普通のピックアップ。
とはいえ、歪ませていくと独特なコンプ感、コツーンと色気のあるサウンドが鳴る印象もありました。
90年代の物をもし中古で見つけることができれば、試してほしいですね!
ちなみに試した3種類の中で一番オールマイティーに使えるのは「57 Classic」に感じました。
クリーンは綺麗になりますし、歪ませても変に暴れないため、基準としてまず試すには良いピックアップです。
ギブソンサウンドが欲しい方であれば、まずギブソンピックアップから試してみることをおすすめしたいですね!
この「57 Classic」で数週間弾いていましたが、僕的に低域の出方がうるさいと感じるようになりまして…もっとヴィンテージライクなピックアップを!と次に試したのが「Seymour Duncan Antiquity」でした。
Seymour Duncan Antiquity|ヴィンテージサウンド系サウンドを狙ったモデル
「Antiquity」も「57 Classic」同様にアルニコ2を採用。
直流抵抗値はメーカー公表値でフロント(ネック側)は7.7kΩ、リア(ブリッジ側)は8.6kΩ。出力は高くなく、いわゆるヴィンテージ系サウンドを狙ったものですね。
アンティクイティは枯れたサウンド、というレビューもみますがどちらといえば、エッジが立たず、まろやかになる印象を受けました。
三種類の中では一番大人しめ、落ち着いた音だった印象でしたが、抜けの悪い音ではなかったですね。
この音は「アルニコ2」を採用していることも頷けるサウンド、とにかくルックスはかなりカッコよく満足していました。
ただ、使っていると気になることが出てきました。
どうしてもフロントピックアップの音が甘く、こもると感じたんです。
そのためか僕のレスポールですと…リアピックアップがトレブリーに感じ、出音のバランスが取りにくかったんです。
ピックアップの高さやハンダ等で調整しても…どうしてもこのバランスの悪さが気になりました。
「SH-1」はアルニコ5、アルニコ2よりエッジの効いたサウンドが特徴に感じました。57Classic、Antiquityを試して感じたことが、今回狙っているサウンドだとアルニコ2仕様のピックアップではないのかな、と思うようになりました。
「SH-1」に戻そうかな…とも考えましたが、お世話になっている楽器店オーナーにおすすめされていた「Bare Knuckle The Mule Pickups」も試すことにしました。
Bare Knuckle The Mule Pickups|UK製 PAF系クローンハムバッカー
「Bare Knuckle(ベアナックル)」は、UK製のPAF系クローンピックアップ。マグネットにはアルニコ4を採用、メーカー公表の直流抵抗値はフロント(ネック側)で7.3kΩ、リア(ブリッジ側)で8.4kΩです。
結果、レスポールのピックアップはこの「The Mule Pickups(以下、Mule)」をチョイスしたわけですが、この「Mule」が今回試したピックアップたちと比べ、決定的に違ったのは以下の点です。
- ネック側でもこもらず、抜けの良いだった
- ネック・ブリッジピックアップでバランスが良かった
- ヴィンテージサウンドではないが、バンドにハマるサウンドだった
フロントピックアップでもローエンドがタイト、ハイミッドのバイト感は「57 Classic」「Antiquity」とは異なるものでした。
「Mule」はヴィンテージサウンド!というよりも、独自の解釈でチューニングされたピックアップに感じました。
正直、ここまでピックアップで変わるとは思いもしませんでした^^;
この動画で弾いているバーニーレスポールも弾いたことがありますが、元々搭載されているピックアップではこんなに音は立たないんですよね。
ブリリアントでありながら、ちゃんと肉付き感もある…「Mule」はそんな印象でした。
とにかく僕的に選んだ理由はフロント、リアピックアップのバランスが良かったです。
リアピックアップも理想通り、僅かに中域をプッシュ、ややファットにしたサウンドでした。
リアピックアップのサウンドはちょっと癖がある感じなので、人によって好みは分かれるかもしれません。ダンカンのSH−4(JB)っぽさも感じました。
ただし、リアピックアップ側は歪ませて使う場合、このぐらい中域はあったほうが気持ち良く弾けるんじゃないかな?と。
「Mule」自体、割と元気な音なんですが、耳に痛くない高域の出方をしてくれるのと、イナたすぎない、ナローな感じにはなりません。
もしかすると、最近のギブソンレスポールを弾いている方だと、物足りなさは感じるかも。
ファットなレスポールサウンドとは違った音が欲しければ、「Mule」は是非試してほしいピックアップですね!
ただ一つだけ誤算が…今回手に入れた「Mule」はオープンタイプ。カバードにしたかったのですが、市販品のものだとピッチが合わないとか^^;
正規輸入代理店にも聞きましたが、ベアナックルのピックアップカバーって別売りしていないんですよね…もしカバードタイプが欲しければ、初めからカバードのものを買う必要があるので注意しましょう!。
まとめ!レスポールにおすすめのハムバッカーピックアップはコレ
今回僕がチョイスした3つはどれも試してほしいピックアップですが、入手性・価格でいいますと、まずまず試してほしい、体感してほしいピックアップはダンカンの「SH-1」です。
価格帯&入手しやすいピックアップですので、もしまだ弾いたことがない方であれば、試してみることをお勧めします!
- フロント「SH-1n」&リア「SH-1b」
- フロント「SH-1n」&リア「SH-4」
「SH-1」よりもヴィンテージライクな音が欲しいな…と言う場合は「Antiquity」や他のメーカーから販売されているヴィンテージ系ピックアップを選ぶのも一つ。
もちろん、僕が今回気に入った「The Mule」も試してほしいですが(笑)
以上、長くなりましたが運良く中古で手に入ったのもありますが、どうせ試すなら気になるものは全部試してみました(笑)
コレだ!という音に行き着いた、とにかく満足のいく結果が得られて良かったです。この記事がレスポールのピックアップ選び、ピックアップ交換の参考になれば幸いです!
「もう試したけど違う…」という方は何がイマイチだったか?次に試すべきピックアップをアドバイスできるかも!お気軽にお問い合わせくださいませ!
レスポールのピックアップに関しては、別に手に入れた1970年前後のレスポールデラックスの時も悩みました…
このレスポールデラックスはミニハムからフルサイズのハムバッカーにコンバージョン、今は「トムホームズピックアップ」を乗せています。
コメント
楽しく拝見させて頂きました。
ベアナックルとトムホームズの比較、印象は如何でしょうか?
お知らせ頂ければ幸いです。
コメントありがとうございます!ベアナックルのほうがソリッド感がありますね!トムホームズはアルニコ2採用とあってか、やや丸みを帯びたサウンドです。とはいえ、トムホームズ、トップエンドもしっかり鳴りますので、抜けが悪いわけではないですね!あとギターを選ばず、使いやすいのはベアナックルでしょうか!
いつも楽しく拝見させてもらっています。
最近、「Dimarzio PAF Classic(DP194/195)」というモデルを見つけたのですが、評判などご存じないでしょうか。
古いGrecoのレスポール用にPAF系のピックアップを探していて見つけたのですが、廃盤になっているようでなかなか情報が見つからず、もしご存じであれば参考にさせて頂ければと思います。
ご覧いただきありがとうございます!
「Dimarzio PAF Classic(DP194/195)」は存じません、、すみません。。
↓在庫があるか?問い合わせしてみてはいかがでしょうか?
http://www.shimokura-webshop.com/products/detail.php?product_id=17846&category_id=696
古いDimarzio PAFであれば68年製リヴィエラにのせていましたが…
これぞレスポール!っていうPUはないですか?と
知り合いのリペアマンに聞いたところ、
ダグ・アルドリッチ モデルがいいとの話だったのですが、
何か情報をお持ちではないでしょうか?
ハイネさん、返信が遅くなり申し訳ありません…
これぞ、ですかぁ…人によって求める音が違うので難しいところですが、基本として57 Classicかダンカン SH-1あたりで試してみて、好みと違う場合は他のモデルを試していくようにしています!
ちなみに手持ちのレスポールにバシッとハマったのはTone Specificのピックアップでした。Budzやwizzあたりも高いですが良かったです!
所長さまへ、
返信ありがとうございます♪
再度記事を読み返して
いろいろ検討してみますね。
調べるのも楽しいので♪