発売後、各所で話題となっている「Organic Soundsのブースターペダル「Organic Booster Kerberos」をレビューします!
先日レビューした「Zeus Overdrive」と同時期に発売され、SNSでも反響があった「Organic Sounds」初のオリジナルブースターペダルです。
ケルベロス(地獄の番犬)と言うからにはどれほど凶暴凶悪なサウンドなのか?レビューしていきます!
ペダルレビュー
筐体はBOSSのコンパクトエフェクターよりも小さいですね。
しかし電池駆動はもちろん、外部電源(センターマイナス9V)に対応しています。
ツマミはシンプルに一つだけ。
ツマミはボリュームやゲイン調整をするものではなく、音量とゲイン量は固定、ポットではなくロータリースイッチで3種類のモードを選べます。
3種類のモードはローゲイン(左)、ミドルゲイン(真ん中)、ハイゲイン(右)を選べる仕様となっており、カチッカチッと回し切り替えます。
切り替える際はポップノイズが出ますので、アンプやスピーカーのことを考えるとエフェクトOFFにしてから切り替えしたほうがよいかも(僕は面倒くさがりなのでエフェクトONのまま切り替えていますが笑)。
ペダルのセッティングは迷いようがなく、エフェクトON、お好みのモードで鳴らす。ただこれだけです。
サウンドレビュー
- ギター:Fender C/S Stratocaster 1960
- 真空管アンプ:Fender 63Vibroverb EVA MOD.
ブースターペダルと聞いていましたが、僕の環境でチェックした第一印象では…ブースター?ファズじゃない…か?と。
僕のイメージしてきたブースター・エフェクター像とは異なるペダル…良い意味で僕の固定観念はぶっ壊されました(笑)
ただし、ファズと言うには飽和するような低域は出ないため、バッキングプレイも可能と絶妙なチューニングが施されています。
セッティングについてはペダルレビューでお伝えした通り、説明不要。エフェクトONにした時の音を含め、アンプ側をセッティングしてしまえばOKです。
とにかく、どのモードもアウトプットレベルが高く、知らずにエフェクトONにすると…隣人からの苦情は必至…初めて鳴らす時はアンプ側の音量を下げておいたほうがよいですね…
特にクリーンアンプで鳴らす時は注意が必要です。僕もJC-40でチェックしてみましたがかなりの音量(汗)なぜアウトプットレベルを高くとったのかビルダーのY.Watanabe氏に聞きましたが「扱いにくさもOrganic Soundsらしさ」とのこと。ヴィンテージファズクローンを製作する氏の言葉に妙に納得してしまった僕がいました(笑)
正にモデル名である「Kerberos(ケルベロス)」の名を裏切らない凶暴なサウンド、暴れっぷり。
冒頭でお伝えしたように一般的なブースターペダルとは一線を画すサウンドでした。
ゲインが高くなるにつれ、高域も出てくるため、最もゲインの高いモードでも掻き鳴らすようなプレイも可能です。
3モードのサウンド&使い方を解説
僕が各モードをチェックした時に感じた印象は以下の通りです。
ローゲインモードは原音をザラっとしたファジーな質感と太さを付加します。
後ほど動画で紹介いたしますが、手元(ギターボリューム)を絞った時もクリーンまでゲインダウンが可能、柔らかいクリーンサウンドを鳴らせます(ファズフェイス等で手元を絞った時に高域が立つサウンドが苦手な方だとハマるかも)。
このモードでエフェクトON、ケルベロス込みでサウンドメイクするのも一つでしょうね。
ミドルゲインモードはローゲインとハイゲインの中間するサウンド。僕はこのモードがこのケルベロスのデフォルトサウンドに感じました。
まずミドルモードで弾き始め、ここまでゲインが不要であればローゲインモード、もっとゲインと暴れる感じが欲しければハイゲインモードをチョイスすればOKかと。
また手元(ギターボリューム)を絞っていくとギリギリ、クリーンサウンドになりますし、ローゲインモードよりは高域も残ります。
テンションが上がったモードは一番右のハイゲインモード。フィードバックも発生しやすく、とにかく暴れるサウンドなのですが、コンプ感もあるため不思議と弾きやすい。チェック中、何気にもっとも長く弾いていたのがこのモードでした。
手元(ギターボリューム)を絞った時のサウンド、挙動も拘って製作されたとのことですので、各モードでチェックしてみました。
ローゲインならクリーンサウンドまでゲインを下げられますし、最も歪むハイゲインモードでもクランチサウンド程度までゲインは下がります。
ちなみにこの動画ではストラトキャスターのネックポジション(フロントピックアップ)で巻き弦(5〜6弦)を中心にフレーズを弾いていますが、太さはあるもののそこまで飽和しないことがわかるかと。
動画ではフェンダー63バイブロバーブで鳴らしていますが、なかなかに歪むアンプであるため、程よく絡み合う感じに鳴らせたと思っています。もしクリーンアンプ(例えばJC-120など)であれば、歪みペダルを「Kerberos」の後段に繋ぎ、「Kerberos」でゲインブーストしてあげるとよいでしょう。
マスターボリュームが搭載された「Kerberos Custom Llimited Edition」
マスターボリュームが搭載された「Kerberos Custom Llimited Edition」もチェックしました!
音量が大きい…そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「Kerberos Custom Llimited Edition」はそんな不満を解消したリミテッドモデルです。
この「Kerberos Custom Llimited Edition」ですが、マスターボリュームを調整できるだけでなく、出音の印象もやや柔らかくなっています。
個人的に限定品ではなく…レギュラー化してほしいモデル。切に願います(笑)
まとめ
地獄の番犬…「Kerberos」の名に恥じないサウンド、これをブーストペダルと括ってしまうあたりも「Organic Sounds」らしいですね。
またツマミで色々と調整ができない分、「Organic Sounds」の提唱する、狙っているサウンドが決め打ちされたとも言える潔いペダルですから「Organic Sounds」を知る上でも良い入門機種と言えるのではないでしょうか。
正直なところ「音量が大きすぎるかな?」と始めは思いましたが、アンプ、もしくはエフェクターでクランチ以上に歪ませた状態と絡めて使ってあげることで、より本領を発揮すると僕は感じました。
ちなみにもし僕が使うならローゲインモードで常にエフェクトON、手元(ギターボリューム)を絞った時にはクリーン〜クランチサウンド、ギターボリュームMAXでリードサウンドを作る。
もしくはハイゲインモードでぶっ飛んで弾きまくる。実際、動画を撮った時もハイゲインモードはついつい長く弾いてしまいました…轟音・爆音というフレーズが好きなプレイヤーには是非、試してみてください。
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