「Pogo Pedals Zen Ray」をレビューします!
この「Zen Ray」は名前から想像できるように、あの「Zen Drive」と「Jan Ray」からインスパイアされ開発されたオーバードライブエフェクターとのこと。
ただ、単なるクローンではなく、「Pogo Pedals」独自のアイデアが盛り込まれたオリジナリティあるペダルでした。
ペダルレビュー | ポップなルックスに盛り込まれたアイデア満載のODペダル
ポップなルックスに目が行きがちな「Zen Ray」ですが、独自のアイデアが盛り込まれたオーバードライブペダルです。
特徴的な仕様として挙げられるのが「germ」スイッチと「Mid Saturation」ツマミです。
独自仕様の「germ」スイッチと「Mid Saturation」ツマミについて
2つのゲルマニウムトランジスタを信号に追加します。よりソフトなクリッピングが生じ、さらにクランチも加わり、より使いやすさを感じます。
引用元:Tone Blue 神戸
ミッドレンジのハーモニックサチュレーションを追加または削除します。ヘビーミッドクランチまたはスクープミッドサウンドを作る事ができます。上げるとガラスの様なキラキラしたトーンになります。
引用元:Tone Blue 神戸
まさにこの説明の通り。
簡単にいうと、「Germ」スイッチをON(スイッチを上)にすると、ざらっとした質感とゲイン感が増します。
「Mid Saturation」ツマミは中域を中心に帯域コントロールができますが、右回しでタイトでエッジーな「Jan Ray」的なサウンド、左回しでスムーズな「Zen Drive」的なサウンドも鳴らせます。
Zen Drive、Jan Rayの両ペダルからインスパイアされたペダルというのも頷けました。
そして、さらに「Treble」「Bass」のツマミを駆使することで、幅広いサウンドを作ることができます。
とはいえ、初めて鳴らす時は「germ」スイッチはOFF、各ツマミは12時スタートで鳴らしてみるのがおすすめ。
そこから「Mid Saturation」ツマミを左右に振り、好みの音がするポイントで止めた後、高域と低域を触るイメージで「Treble」「Bass」を触ると良いですね!
ちなみにGainはMAXでもオーバードライブサウンドの域を超えませんが、Gainを下げれば、クリーンブースター的にも使えます。
またアウトプットレベルも高いため、アンプをグッとプッシュすることも可能です。
駆動電圧は9V〜18V、電圧によるサウンド変化も楽しめる
筐体には表記されていませんが、9V〜18V(センターマイナス)で駆動します。
18Vで鳴らせば、よりハリのあるオープンなサウンドで鳴らせるなど、駆動電圧によるサウンド変化も楽しめます。
どちらが好みか?ぜひ、9Vと18Vで試してみてほしいのですが、9Vで鳴らしてもハリのある弾けるようなサウンドが鳴りますので、18Vで鳴らす必要はないかもしれません(笑)
サウンドレビュー | クリーンブースターからオーバードライブまで幅広いサウンドが作れる
この「Zen Ray」、クリーンブースターからオーバードライブサウンドまでカバー。
先ほど紹介した「germ」スイッチと「Mid Saturation」ツマミと組み合わせすことで、エッジーなサウンドからマイルドなサウンドまで幅広い音作りが可能です。
各ツマミを駆使することで様々なキャラクターのサウンドが鳴らせることがわかるかと。
よく一台の中に上手に納めたな…というのが第一印象でした。
僕の環境でも動画を撮ってみましたので、併せてご覧ください!
サウンドチェック動画 | JC-40とアンプシミュレーターで鳴らしてみた
サウンドチェックした環境は以下の通り。
- Fender USA C/S 1960 Stratocaster
- Roland JC-40
- HX Stomp Placater Clean (BE-OD Clean)
- 0:00 ~ ペダルサウンド&挙動チェック
- 3:17 ~ クリーンブーストセッティング
- 4:10 ~ 所長好みなセッティングを紹介
- 5:02 ~ 9V駆動(germスイッチOFF)でサウンドチェック
- 5:24 ~ 18V駆動(germスイッチOFF)でサウンドチェック
- 5:50 ~ 9V駆動(germスイッチON)でサウンドチェック
- 6:15 ~ 18V駆動(germスイッチON)でサウンドチェック
- 6:45 ~ ファズとの相性をチェック(Fuzz Face Model)でサウンドチェック
ペダルレビューでも書きましたが、「germ」「Mid Saturation」の効きがわかりやすく、良い仕事をしてくれます。
高域から低域までのコントロールだけでなく、歪みの質感まで触ることができるため、好きな出音を探すことができます。
サウンドキャラクターは好みが分かれるとして、あとはゲイン量さえ足りれば、これ一台で十分で事足ります。
このぐらいのセッティングであれば、germスイッチをON/OFFしても使えました!
あと出音の雰囲気からファズとの相性も良いのでは?とチェックしましたが予想通り、問題なく使えました。
ファズは「Orga Face 66(ゲルマファズ)」でチェックしましたが、JC-40と組み合わせて鳴らしました。
ファズと組み合わせて鳴らす場合、ヘッドルームの兼ね合いか、18Vで鳴らしてみると良さそうでした!
手元でリニアなゲインコントロールも可能
もちろん、手元(ギターボリュームやピッキング)にも、きちんと追随します。
ただ、ギターボリュームを絞った時、「Mid Saturation」は右回しにセッティングしたほうがこもりにくくなります。
手元を絞った時のサウンドも重視される方であれば、音決めする際、ギターボリュームを絞りつつ、好きなクリーンサウンドが鳴らせるポイントを探るのも一つですね。
先ほど紹介した僕好みのセッティングは、ギターボリュームを絞った時でも、こもりにくいよう、セッティングしていました。
ジャズコ(JC-120など)との相性について
ちなみにこの「Zen Ray」はトゥルーバイパスとのことですが、ややバイパス音が丸くなるような印象がありました。
これは今回チェックしたジャズコ(JC-40)でも感じましたので、このバイパス音の個性を活かし、JC-120で鳴らした時でもまろやかなサウンドで鳴らせるかも。
もし試奏される時はJC-120で鳴らしてみてほしいですね!
まとめ
この「Zen Ray」、幅広いサウンドをカバーしてくれる、扱いやすいオーバードライブエフェクターという印象。
独自に追加されたコントロール、特に「Mid Saturation」ツマミは優秀、作り手のセンスの良さを感じました。
また、ポップな見た目から想像できませんが「Zen Drive」「Jan Ray」が好きな方であれば、両ペダルの雰囲気も堪能できるんじゃないかなと。
一台だけオーバードライブエフェクターを持っていく、なんて時にも活躍してくるペダルではないでしょうか!
一台で二役以上こなしてくれるのに3万円を切る価格も魅力。ぜひ、試してみてください( ̄▽ ̄)
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