Warm Audio ODD BOX V1をレビュー、今回は所長が所有する本家Fulltone OCD V1.1を用意し比較してみます。
Warm Audioは以前にレビューしたCENTAVOもそうですが、名機を手に入れやすい価格で販売しているメーカーです。
今回レビューするWarm Audio ODD BOX V1は、Fulltone OCDのクローンモデルであり再現度について以前から気になっていました。
Warm Audio ODD BOX V1の仕様について
Warm Audio ODD BOX V1の仕様はOCDと変わらず、ツマミはVolumeとDrive、Toneの3つです。
OCDでいうHPがUK、LPがUSと表記されたモード切り替えのミニスイッチを搭載されています。
HPとLPにおけるサウンドの違いは、ODD BOX V1でわかりやすい表記となっています。
- UK(HP):Marshall系
- US(LP):Fender系
外観も印字など違いはあるものの、形状はOCDを彷彿させるデザインです。
筐体を固定しているネジが、手で回せる仕様なのもありがたい。
筐体の材質も重量感があり、内部の基板を見ても表面実装基板ではありません。
きちんとした作りである上にサウンドハウスで販売価格が18,500円(税込/2024年6月時点)と、以前OCDが最も安く販売されていた価格に迫る設定。
さらに仕様はもちろん、梱包もきちんとされているなど価格帯からは考えられません。
ちなみに元ネタとなったOCDには、いくつかのバージョンが存在することは知っている人もいると思います。
ODD BOX V1がどのバージョンのOCDに当てはまるのか、調べてみました。
Warm Audio ODD BOX V1はOCD V1.4の仕様に近い
Warm Audio ODD BOX V1は、ボリュームポットの値やクリッピングの仕様から見ますとOCD V1.4の仕様に近いことがわかりました。
比較項目 | ODD BOX V1 | OCD→ V1.1 | V1.2 | V1.3 | V1.4 | V1.5 | V1.6 & V1.7* |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ボリュームポット | 500kB | 100kB | 500kB | 500kB | 500kA or 100kA | 100kA | 100KB |
クリッピング | mos-fet×mos-fet + ゲルマニウムダイオードの非対称クリッピング | mos-fet×mos-fetの対象クリッピング | mos-fet×mos-fetの対称クリッピング | mos-fet×mos-fetの対称クリッピング | mos-fet×mos-fet + ゲルマニウムダイオードの非対称クリッピング | mos-fet×mos-fetの対称クリッピング | mos-fet×mos-fetの対称クリッピング |
1段目の増幅部のポット | 1MA | 500kA(1MAの個体と比べると最大ゲインが半分) | 500kA(1MAの個体と比べると最大ゲインが半分) | 1MA | 1MA | 1MA | 1MA |
ローカット周波数 | 調査中 | 720hz | 720hz | 720hz | 1063hz | 1063hz | 1063hz |
1段目の増幅後のクリッピングと 並列に入っているハイカットの周波数 | 調査中 | 15915hz | 15915hz | 15915hz | 15915hz | 1446hz | 15915hz |
1段目と2段目における増幅部のハイカット周波数 (1段目はゲインツマミと連動するため、ゲイン最大時を記載 | 調査中 | 1段目:1396hz 2段目:4822hz | 1段目:1396hz 2段目:4822hz | 1段目:473hz 2段目:3215hz | 1段目:710hz 2段目:4822hz | 1段目:710hz 2段目:4822hz | 1段目:710hz 2段目:4822hz |
HP/LPのハイカットの周波数 | 調査中 | HP:120hz LP:48hz | HP:120hz LP:48hz | HP:256hz LP:102hz | HP:256hz LP:102hz | HP:256hz LP:102hz | HP:256hz LP:102hz |
情報提供:Zauber Pedalas
判明しているデータを見ると、OCD V1.4のサウンドに近いと予想されるところ。
しかし驚いたのが、初期型のOCD V1.1のサウンドに寄せられたことです。
ODD BOX V1でOCD V1.1のサウンドを再現してみた
今回の検証で、ODD BOX V1をOCD V1.1のサウンドに寄せることができました。
ボリュームポットの影響からOCD V1.1のほうが、12時あたりで音量は大きいことや高域の出方が異なることを加味してセッティングしてみました。
18Vで駆動させた時は違いが出やすいとはいえ、動画のセッティングならOCD V1.1に酷似したサウンドが鳴ってくれることがわかると思います。
ODD BOX V1、OCDともに9V〜18Vで駆動できるエフェクターです。
ちなみにODD BOX V1と仕様の近い、OCD V1.4を元にしたOCD-Geを弾いた時、OCD V1.1に寄せられませんでした。
ODD BOX V1を弾いた第一印象はギターボリュームを絞った時にこもりにくいなど、OCD V1.7に近いと感じたものの、初期V1.1にここまで寄せられたのは嬉しい誤算でした。
Warm Audio ODD BOX V1はOCDの代わりになるエフェクター
検証の結果からWarm Audio ODD BOX V1は、OCDの代わりになるエフェクターだとわかりました。
所長としては所有するOCD V1.1に似たサウンドが鳴らせたことで、バックアップ用ペダルを発掘できたのは大きかったです。
FulltoneのOCDがいまだに高値で取引されることから考えても、2万円を切る価格で手に入るのは嬉しいところでしょう。
見た目こそ少し違うものの、遠目で見ればOCDに見えるルックスですし、筐体もしっかりしているなど安っぽくないのも良いですね。
OCDが気になっている人は、動画レビューのセッティングを参考に鳴らしてみてください。
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